新型タイカン678km!新型マカン613km!!ポルシェが本気で取り組む電動モビリティの「ファストトラベル」戦略が、BEVの航続距離と未来を拡げていく【スタッフブログ特別版】
新型マカンは多彩な空力デバイスでレンジを拡大
直接的に「ファストトラベル」を謳ってはいませんが、新型マカンの新デザインが実現したエアロダイナミクスの進化もまた、ポルシェBEVの「旅する高性能」向上に大きく貢献しているようです。 Cd値 0.25(現行型は0.35)というSUVとしては驚異的な空力性能を達成しているのは、アクティブとパッシブ、ふたつのエアロダイナミクスによって磨かれたデザインDNAです。大成功を収めたマカンとしてのアイデンティティを継承しながら、消費電力の高効率化とゆとりの航続距離を確保するために、十二分な空力要件の実現を追求しました。 積極的な空力性能向上につながるポルシェ・アクティブエアロダイナミクス(PAA)システムには、アダプティブリアスポイラー、フロントエアインテークのアクティブクーリングフラップ、完全に密閉されたアンダーボディのフレキシブルカバーが含まれています。 フロントエアインテーク内のアクティブクーリングフラップ、ヘッドライトモジュール下のエアカーテンやリアのルーバーディフューザーもまた、攻め系の空力アイテムと言っていいでしょう。 さらに新型マカンでは、低めのフロントエンドや、横方向のティアオフエッジなど、シルエット的にも優れた空力性能を実現しています。タイヤの輪郭まで空力的に最適化されているうえに、開口部の小さなホイールを装備。空気抵抗を徹底的に低減することで、少しでも長く、遠くへ行く・・・を目指しています。 「田舎道を普通にクルージングしているとき」と、前置きしたうえで、ポルシェは「マカンは自動的に理想的な流線型になります。リアスポイラーがエコポジションに移動し、エアフラップが閉じ、シャシーレベルが下がります」と解説します。Cd値0.25は、この時、達成されているそうです。
日本仕様の400V急速充電でも優れた効率が期待できそう
新型マカンのアンダーボディに搭載されたリチウムイオン電池の総容量は100kWh、新開発の800Vアーキテクチャーで構成されるプレミアム・プラットフォーム・エレクトリック(PPE)の主要コンポーネンツとして、優れた充電効率を実現しています。 800VアーキテクチャーのBEVとしては先輩格に当たるタイカンは、400Vの充電スポットでも150kWまで安定して充電することができる「HV(High Voltage)ブースター」を採用しています。一方、新型マカンは充電要件に合わせて、実際の充電が始まる前にバッテリー内の高電圧スイッチが自動的に切り替わる「バンクチャージ」システムを、ポルシェとして初めて採用しました。 このシステムでは充電環境に合わせて、搭載される800Vのバッテリーをふたつのバッテリーセットとして実質的に分割し、1機の400V充電ステーションでの並列充電を可能にしています。定格電圧400V×2セットに分けることで、HVブースターなしでも、最大135kWまでの効率的な充電を実現しているそうです。 400Vに対応している日本のCHAdeMOによる充電でも、しっかりそうしたグレードアップの恩恵を受けることができそうです。 結果、新型マカンは、すべてのグレードで非常に優れた航続距離を実現しました。マカン4で最大613km、マカンターボで最大591kmに達します。もちろんそれは、スポーツモデルに求められるパフォーマンスとのトレードオフで成り立っているわけではありません。 なにしろ出力的には大人しめなマカン4ですら最高出力は300kW(408ps)、最大トルクは650Nm。マカンターボにいたっては470kW(639ps)、1130Nmを発生しています。公表された0→100km/h加速がそれぞれ5.1秒と3.3秒、最高速度は220km/hと260km/h。内燃機関を搭載した現行モデルと比べるとマカンターボは、加速性能ではマカンGTSを、最高速度はマカンSを凌いでいます。