新型タイカン678km!新型マカン613km!!ポルシェが本気で取り組む電動モビリティの「ファストトラベル」戦略が、BEVの航続距離と未来を拡げていく【スタッフブログ特別版】
高出力な急速充電を繰り返しても効率が低下しない?
北米における「real-world range(実際の使用条件下での航続距離)」の確認は、約120km/hでの巡航も含まれます。これは日本でも、公道で新旧タイカンを比較したなら、歴然とした差がつくことになるのかもしれません。 もうひとつ注目したいのは、走行テストでの充電テストに関する報告です。 ■「The new Taycan impresses with a real-world range of up to 587 kilometres」より(2024年2月2日配信) 「タイカンは300kW以上の充電電力を何分間も発揮し、20分足らずで10%から80%の充電状態まで数回充電することができました。このテストでは、充電性能、充電時間、充電開始までの時間も大幅に改善されました」 テストの詳細は明らかにされていませんが、一般的に大容量のバッテリーは十分な充電に時間がかかると言われています。加えて、高出力の急速充電を続けると熱ダレ状態が発生、2回、3回と繰り返しているうちに充電効率が驚くほど低下してしまう場合もあるそうです。 しかし北米のテストで新型タイカンは、300kW以上という日本では望むべくもない高出力な急速充電を繰り返してもへこたれることがなかった様子。さまざまな意味で、充電効率が大幅にアップグレードされていることが窺えます。 日本向けの仕様に関しては、具体的な充電時間の向上率など、細部は今のところ明らかになっていません。パフォーマンスバッテリープラス(日本ではタイカン 4Sに標準搭載)の総容量は、従来の93kWhから105kWhに増加するとともに、充電性能自体は従来から50kW増の320kW(800V)まで対応できるとされています。 ちなみに全国のポルシェディーラーや東京、名古屋、大阪のランドマーク施設と連携して、独自に展開する急速充電インフラ「ポルシェ ターボチャージングステーション」は、国内法規最速の150kW(400V)での充電を、可能にしています。 これまでは、それを利用すると気温や車両の状態が理想的なら、従来型では30分弱の充電時間で80%(走行距離にしておよそ300km分)まで回復できるとされていました。 新型タイカンのバッテリー容量拡大と充電効率の向上によって、日本でロングドライブを楽しむ時に「充電」というストレスがどのくらい軽減されているのか、気になるところではあります。