「この世のものとは思えない」壮絶な個室も…旅行ジャーナリストが目撃した「世界のトイレ事情」
海外旅行先での心配事といえば、その1つに「トイレ事情」を思い浮かべる人は多いでしょう。旅行ジャーナリストとして世界のあらゆる国や地域をめぐった結果、筆者は「日本が最も清潔である」と断言します。 【写真を見る】どう座る? パリ五輪会場の「便座がないトイレ」 その上で、まさに千差万別な世界のトイレ事情について、エリア別に紹介しましょう。旅行の前に知って準備しておくに越したことはありません。
◆【アジア】いまだ多い、トイレットペーパーを「流してはいけない」国
トイレでトイレットペーパーをそのまま“流してはいけない”国・地域は、現在も多いことを覚えておきましょう。例を挙げると、「韓国」「台湾」「中国」「タイ」「ベトナム」「フィリピン」など。トイレの配水管が細い、トイレットペーパーの質が悪いなどの理由で、トイレが紙で詰まる原因となるからです。 これらの国・地域のトイレには、女性用トイレであれば個室に生理用品用のごみ箱よりも大きめのごみ箱が設置されています。その場合、使用済みのトイレットペーパーはそこに入れます。 日本から近いアジア諸国でも、トイレットペーパーが流せないトイレはまだまだ多いのが実情。一方で、高級ホテルや空港などでは“流せる”トイレが徐々に増えてきてはいます。
◆【中国】「ニーハオトイレ」減少、地方はまだまだ注意
中国本土のトイレは、個室が仕切られておらず「ニーハオトイレ」と呼ばれるほど隣の人が丸見え状態になるトイレ事情がよく知られています。日本では考えられない話ですが、ほぼ毎年、中国本土を訪れる筆者が、都市部でニーハオトイレに遭遇することは今ではほぼありません。 ただ、中国で地方へ行くと、路上で堂々と用を足している人を見かけることも。上海や北京などの都市部と地方ではトイレ事情も大いに異なります。 また、中国は水道事情も良くないので、たとえ高級ホテルであっても「水道水でうがい」など、絶対にしてはいけません。
◆【ヨーロッパ】トイレは公共・店舗ともに「有料」増加
駅などの公共トイレが「有料」である国・地域も多くあります。 筆者も先日訪問したヨーロッパ圏の「フランス」「ドイツ」「イタリア」などでは、トイレの前にゲートがあり、利用料金が0.5ユーロだったり、1ユーロだったりします。支払いは、小銭を入口の皿に置くほか、クレジットカードのタッチ決済が対応していたりすることも。 また無料トイレより有料トイレのほうが、きれいかつ比較的安全であることが多い気がします。国・地域によっては、個室もあるトイレは犯罪の巣窟でないとも限りません。 トイレはできれば、カフェやレストランの利用時がおすすめです。また店舗利用ついでのトイレだと、レジでコイン(1ユーロ)代わりの「トークン」をくれたカフェもありました。 筆者が直近(2024年8月)訪れたフィンランドではこのパターンが多く、飛び込みで中華料理店にトイレ利用を頼むと「1ユーロ」と言われ、周りにトイレがなかったこともあり1ユーロ硬貨を渡して利用しました。日本のように公園などにトイレはなく、コンビニエンスストアもないため致し方ありません。