阪神・伊藤将 大山残留「でかいっす!」初減俸に厳しい表情一変 自身登板時に好打率 2000万減、1億4000万円更改
阪神の伊藤将司投手(28)が5日、西宮市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、今季年俸1億6000万円から2000万減の1億4000万円でサインした(金額は推定)。ダウン更改となったのは自身初。「シンプルに悔しかった。やり返す」と来季の巻き返しを誓い、原点回帰の投球フォームで2桁勝利を目標に掲げた。また、自身の登板時に好打率をマークしている主砲・大山の残留を心から喜んだ。 【写真】大山の残留に嬉しそう 笑顔で取材に応じる伊藤将 笑顔もあったが、瞳の奥には並々ならぬ強い思いを感じさせた。伊藤将にとっては初の減俸。「今年はシンプルに悔しかった。やり返すというか1軍でやりたい。それが強いかな」。復活。言葉にするのは簡単だが、その道筋は見えていた。 今季はキャリア最少の18試合登板で4勝5敗、防御率4・62。歯車の狂いは投球フォームにあった。「バラバラでうまくいってなかった。かみ合わないのが長引いた」。すでに今季と昨季までのフォームを見比べ、改善点もわかっている。 11月の秋季キャンプでは藤川新監督からの助言もあった。「手応えがあったなと感じますね」。そう言い切れるほど、収穫たっぷり。今オフの自主トレ先などは「内緒です」と笑い、かたくなに明かさなかったが、改善の光は確かにともっているのだろう。 大きく変えるわけではない。昨季までのフォームに原点回帰しながら、パワーアップできることが理想。「どんどん新しい自分に合った状態で、そのフォームにかみ合えばいい」。胸付近の可動域を広げるなど、細かい微調整を施す考えだ。 そして、伊藤将にとって大きすぎる朗報もあった。大山が11月29日に残留を表明。「でかいっす!非常に大きいです!」と思わず声を張った。それもそのはず、自身の先発時には通算打率・295。さらに10試合で本塁打を打ち、そのうち6試合で勝利を挙げている。 打撃だけでなく、守備での貢献度も高い。「4番が残ってくれたのはチームとしても、投手からしてもすごく大きい。捕るのもめちゃくちゃうまいんで」。この日、一番のスマイル。最後も念を押すように「非常にうれしいです」とトーンを上げた。 大山との共闘を実現するためにも、1軍のマウンドに立たなくてはならない。1年目の21年から10勝を挙げ、9勝、10勝と白星を積み重ねてきた。今年の4勝は物足りない。「個人としては2桁勝利ができるように頑張りたい」。青柳もポスティングでの米大リーグ挑戦を表明。先発陣の一角として返り咲きに期待がかかる。王座奪還へ、伊藤将が欠かせないピースであることに変わりはない。 ◆大山、伊藤将の先発試合で好成績 伊藤将の先発試合での大山の通算打率は.295。本塁打は全10本(10試合)で、その内、伊藤将に白星がついたのは6試合、黒星は1試合となっている。2021年からシーズンごとに見ると21年=打率・269(67打数18安打)、4本塁打、14打点。22年=打率・316(57打数18安打)、2本塁打、16打点。23年=打率・292(72打数21安打)3本塁打、7打点。24年=打率・316(38打数12安打)、1本塁打、7打点。なお、24年は伊藤将のリリーフ試合を含めれば打率・321(56打数18安打)、2本塁打、10打点。