満身創痍の千葉ジェッツを支える富樫勇樹「2人が戻って来た時に良い状態でプレーできるように」
「みんな天皇杯に懸ける思いを持っている」
ムーニーとホグの不在によるインサイドの得点力不足もあり、現在の千葉Jはオフェンス面において渡邊雄太に求める役割がこれまでより大きくなっている。渡邊は開幕直後の故障離脱もありコンディションが万全でなく、さらに他の外国籍選手と同じBリーグのスタイルへのアジャストの最中。それでもここまで平均13.3得点、5.7リバウンドと奮闘しているが、一方でフィールドゴール成功率は40%以下と本来の力を発揮できていない。 NBAでの過去6シーズンはキャッチ&シュートでの3ポイントシュートが主な役割で、味方の作ったシュートチャンスを決めるのがオフェンスの仕事だった。それが今は個で打開することを求められている。渡邊の実績、実力からすればこの役割は当然であるが、適応は決して簡単なことではない。富樫もそれは十分に認識しており、それと同時に試合を重ねることで向上すると続ける。 「雄太は日本代表も含めてオフェンス面でボールを持ってクリエイトする役割ではずっとなかったはずです。Bリーグに来て、自分の行く時、行かない時とバランスをまだ探っている部分もあります。彼は行こうとすればシュートまで行けます。これからもっと試合をしていく中で、確率などいろいろな部分が良くなっていく。僕もそこは心配していません」 明日、千葉Jは天皇杯のベスト8でアルバルク東京と対戦する。A東京もケガ人を抱えて4連敗中と状態は良くないが、プライドを懸けた激闘が予想される。 富樫は大一番への意気込みをこう語る。「どういう守り方をするのかなどスカウティングも大切ですが、『負けたら終わり』という気持ちをしっかり作って戦うこと。みんな天皇杯に懸ける思いを持っているので、気持ちの面は心配していません。シュートが入る、入らない、いろいろなことがあると思いますが、ここまでやってきたことをチームとしてやっていけたらと思います」 そしてムーニー、ホグ復帰という苦境を乗り越えた先に、「ケガ人が戻ってきて万全の状態になった時、雄太も含めよりお互いの良さを引き出せると思います」と明るい展望を語る。2025年、我慢のスタートとなった千葉Jにとって、明日の天皇杯は悪い流れを変えるきっかけになる重要な一戦だ。
バスケット・カウント編集部