国民・玉木氏をじわじわ追い詰める自民の戦略 対自民の「戦略」「党内ガバナンス」欠如に不安
これについて玉木氏はすかさず自身のX(旧ツイッター)を更新。その中で「この協議以上に重要な日程があるのか。税調会長お一人の都合で予定されていた大切な会議をとばしてしまうとは、やはり自民党の税調会長の力はすごいんですね。驚きました」と皮肉たっぷりに批判した。 ■24日の自公国交渉先送りは宮沢氏の“一人芝居” ただ、この日程先送りについては、関係者が「そもそも、23日夜の段階で、自公国の幹事長や担当者間で、『年明け以降に先送りしたほうがいい』との声が強まり、それを受けて宮沢氏があえて“悪役”を引き受けた」(自民政調幹部)としたり顔で解説。
宮沢氏周辺も「協議開催には、まず、17日の協議でいきなり打ち切り宣言をした古川氏の謝罪を求めたのに応じなかった」(税調有力インナー)と裏舞台を明かした。ただ、「全ては水面下のやり取りで、関係者以外は真偽を確かめようがない」(同)ともいえる。 そこで、「衆院選後の最大の政治課題」ともなった「壁」引き上げを巡る自公国協議の経緯を子細に検証すると、「各党幹部や情報番組のコメンテーターらが気づかなかった自民の戦略が浮かび上がってくる。その最大のポイントは、11月上旬の特別国会閉幕に合わせた自民税調の新体制づくりだった」(自民長老)とみられている。
確かに、税調新体制が決まったのは11月6日。当然、会長の宮沢氏が森山裕幹事長らと協議して決めたものだが、宮沢氏はまず、それまで「税調インナーのドン」だったが衆院選で落選した税調顧問・甘利明元幹事長の後任に森山氏を指名し、同氏も即座に応じたとされる。 ■“極秘作戦”は「11・6税調インナー人事」が発端 「現職幹事長の税調顧問就任は過去に例がない」(税調事務局)とされる人事だが、森山・宮沢両氏は他のインナーの顔ぶれについても、新たに小渕優子党組織運動本部長、斎藤健前経済産業相、小林鷹之元経済安保相らを指名した。この顔ぶれについても関係者は「総裁選結果を踏まえて、党内の反石破勢力も取り込んだ巧妙な人事」(同)と指摘する。