ソフトバンク入団辞退の日本学園高・古川遼投手、Xに長文投稿「他の高校生に『即戦力』と言われてる人がいる中」育成指名への思い率直、赤裸々に
今秋のドラフト会議でソフトバンクから育成ドラフト1位指名を受けたものの、3日に入団辞退を発表した日本学園高(東京)の古川遼投手(3年)が同日、自身のX(旧ツイッター)で辞退に至った理由、思いを長文でつづった。 古川は「まず最初に、ソフトバンクホークスさんの担当のスカウトやチーフスカウト、その他のスカウトさん、コーチ、スタッフ、ここまでご迷惑かけてしまい申し訳ありませんでした」と謝罪した上で、入団辞退については「1個目はやはり悔しかったということです」と率直に告白した。 「野球を始めた頃からプロ野球選手を目指し、ダルビッシュ選手のような技術も中身も素晴らしい投手になることを夢見てました。ですが、昔から肩も弱くて、ヒットを打たれまくったり、ファーボールを出したり、全くプロ野球選手とは縁が全くなさそうな選手でした」と振り返り、「高校も、自分の憧れてる高校にセレクションで落とされたり、宇野や森山など同世代で活躍してる選手らが沢山いて、それが悔しくて絶対見返してやるという思いで3年間やってきました。もちろん自分が育成1位で呼ばれて、プロ野球選手になれるって実感が全くなく、『あの俺が昔からから憧れていたプロ野球選手になれるのか』と思い、とても嬉しかったです。ですが、同世代の人たちが1位から次々と指名されていくのを見てめちゃくちゃ悔しくて、自分は同年代を見返すために高校で頑張ってきたんじゃないのかという思いがふと心の中に現れてしまいました」と打ち明けた。 さらに「結局小さい頃から有名だった選手らより下の順位でプロ野球選手になることは自分の中で許せませんでした。ここまでしか行けなかった自分の実力がとても悔しかったです。中、高で思い描いていた人生にならなかったです。だからこそここは妥協しては行けないと思いました」と理由を赤裸々に語った。 11月上旬に福岡県でメディカルチェックを受け、最新鋭の設備、環境に驚いたことも明かした。「高校生として喉から手が出るくらい欲しい環境だったし、ここで野球をやれば確実に上手くなる環境でした。入るか悩んでいると知っていたスタッフたちが、僕のためにわざわざ、施設について詳しく教えてくれたり、これからのビジョン見すえて話してくださったり、堂々とこの施設、環境について教えてくれて本当にこのソフトバンクホークスという球団に誇りを持ちながら仕事をしているように感じましたし、どれだけ選手の成長のために動いて、考えていただいてるかを感じ、ソフトバンクホークスがどれだけいい球団かを知り本当に大好きになりました」といい、「斉藤和巳監督とも話させて頂きました。『ぜひ来て一緒にやろう』と言ってくださいましたし、グータッチまでしてくださいました。説得、説明をしてくださって、本当に僕のことを考えて頂き、必要としてくださるという気持ちを心の底から感じることが出来ました。ですが、他の高校生に『即戦力』と言われてる人がいる中、そこに入っていない自分の実力が本当に悔しかったです。4年後100%大成する訳では無いということも重々承知しています。ですが、自分には4年後絶対上位でプロに行ける自信があります。最高の環境で、最高の選手の中で、野球をやりたい気持ちもありました。でもやはり、他の選手に負けたまま同じチームで練習することは出来なかったです。もし大学からプロに行けなかったとしても絶対に後悔はしないです」と強い信念を記した 今後について、「もう一回プロ野球選手を目指すイバラの道に進みますが、高校で指名されたことは完全に忘れて、全力で夢に向かってやってきます。是非応援よろしくお願いします。全て自分のわがままで断ることになってしまい、本当にソフトバンクホークスさんの担当のスカウト宮田さんやチーフスカウト、その他のスカウトさん、コーチ、スタッフ申し訳ない気持ちでいっぱいです。本当に申し訳ありませんでした。いつか恩を返すために、縛りをしてでもソフトバンクさんに1位指名貰えるような、素晴らしい投手となり今度は即戦力”世代No.1投手”となってまたドラフトの舞台に立ちたいと思っています。そして世界一のピッチャーになるという目標は今後変わりません。やってやります」と誓った。 古川は190センチの長身から投げ込む最速144キロの直球と変化球を武器とする将来性豊かな右腕。11月16日に入団辞退の決断を球団側に伝えたという。今後は進学して4年後のドラフト指名を目指すことになる。
中日スポーツ