家族と再会、新年穏やかに 金沢駅、帰省が本格化
●9連休入り、30日ピーク ●正月「安全気にしながら」 最大で9日間となる年末年始の連休がスタートした28日、石川県内で帰省が本格的に始まった。金沢駅では年末年始をふるさとで過ごす人たちが続々とホームに降り立ち、出迎えの家族と再会を喜んだ。今年は能登半島地震によって不安な正月を過ごしただけに、帰省した人からは穏やかな新年を願う声が多く聞かれた。JR西日本金沢支社は北陸への帰省のピークを30日とみている。 金沢駅ではスーツケースや土産物など大荷物を携えた利用客の姿が多く見られた。能美市の実家に帰省する千葉県船橋市の会社員徳川奎史さん(26)は今年結婚したばかりで、「9連休のおかげで互いの実家にゆっくりあいさつにいける。今年の元日は地震で慌ただしかったが、新年は何もないことを祈りたい」と話した。 埼玉県から金沢市へ帰省中の会社員鈴木智之さん(47)は、遅れて到着する子どもの出迎えで金沢駅を訪れた。今年の元日は初詣中に神社で地震に遭ったといい、「今回は安全を気にしながらの正月になりそう」と気を引き締めた。 JR西日本金沢支社によると、午前10時までに東京方面から金沢支社管内に到着した北陸新幹線で、自由席の乗車率が100%を超えた列車はなかった。 東京方面から北陸に向かう北陸新幹線の指定席予約状況は、29日は若干の空席があるが、30日はほぼ満席、31日も満席の列車が目立っている。北陸からのUターンのピークは1月4日を見込んでいる。 ●おせち材料求め、近江町にぎわう 県内の各観光地は帰省客や観光客でにぎわいをみせた。金沢市の近江町市場では、おせち料理の材料や正月用品を買い求める人々で活気づいた。 金沢市高岡町の池田千鶴さん(72)は「元日は親戚13人が集まるから、今からおせちの準備をせんと間に合わんわ」と話し、エビやレンコン、トマトなどを入れた袋を両手に提げて家路を急いだ。