阪神・岩崎 「凄く楽しかった」気仙沼で野球教室 全国に虎党拡大へ“敵地無双”誓う
阪神の岩崎優投手(33)が1日、宮城県気仙沼市で野球教室を行い“敵地無双”での虎党の全国拡大を力強く宣言した。今季、防御率1点台だったホームに対して2点台後半だったビジターでの活躍を期すとともに、全国各地の虎党の増加、野球の競技人口の拡大につながる快投を来季以降の目標に設定。初めて訪れた気仙沼でも子供たちの野球熱、タイガース愛に触れ、決意を新たにした。 午前8時、背番号13のユニホームに身を包んだ岩崎は気仙沼市立面瀬中のグラウンドに現れた。主催者が手渡したマイクを「堅苦しいのは苦手なので」と返すと、地声で「今日は楽しみましょう!」と宣言。「走るぞ」と全力疾走のグラウンド1周から野球教室はスタートした。 今春、気仙沼市に住む知人からオファーを受けてスケジュールを調整。多忙なオフの合間を縫って仙台市から約2時間、自らレンタカーを運転して駆けつけた。面瀬小野球部、ネオ野球クラブに所属する小中学生27人には技術指導はもちろんのこと、「野球を好きになってほしい」という思いを伝え続けた。 「面白かったですよ。自分が凄く楽しかったので。緊張していたと思いますけど、何か一つでも思い出になってくれたら」 約4時間の野球教室で目を輝かせ続けた子供たちの半数が阪神ファン。改めてプロ野球選手の影響力、タイガースのブランドも実感した。来季、交流戦での楽天戦は敵地で6月13~15日に開催。既に藤川監督から来季の守護神に指名された左腕は「仙台でも試合はあるので来てくれたらうれしい」と観戦も呼びかけた。仙台だけでなく、交流戦では北海道で日本ハムと戦う。しかも、4月には松山(ヤクルト戦)、5月には新潟(DeNA戦)と地方球場で試合がある。先月には、長野県でも野球教室を行った岩崎は「自分の活躍で全国にもっとタイガースファンが増えればうれしいし、それで野球を続ける子が多くなれば」と虎党の全国拡大を期すとともに“敵地無双”も誓った。 今季、防御率1・55だったホームに対し、ビジターでは2・86。リーグ優勝を果たした昨季はセ3球場で防御率0・00をマークするなどビジターで1・08と圧倒していただけに「(ビジターでも)良い数字になるように。他球団の選手も入れ替わりがあると思うので気をつけたい」と力強くうなずいた。 「野球人口が減っていることはずっと気になっている。きょう参加した子が一人でも多く野球を続けてくれて“野球って面白いよ”と周りの子を誘ってくれたら、こんなうれしいことはない」 気仙沼の寒風に負けない虎の背番号13の発した「野球熱」は、子供たちの胸に届いたはずだ。(遠藤 礼) ≪優勝で凱旋誓う≫ ○…野球教室のフィナーレでは子供たちとの“ガチンコ対決”も行われた。選抜された小学生1人、中学生4人と2打席ずつ対戦。岩崎は「今日持てる力を全部出すから、ヘラヘラせず本気で向かってこい」と宣戦布告すると計10打席で9奪三振、投ゴロ1つと圧倒した。最後に子供たちには「来年優勝したら、また気仙沼に戻って来る」とV奪回を手土産に“帰還”することを約束していた。