中にはパワハラやセクハラ被害も…女子の「スポーツ離れ」という深刻な課題
と語った。 ■競技レベルが上がると女性指導者が少なくなる 2024年10月16日~20日には東京で国内外から400人が集い「女の子のためにスポーツを変えるウィーク – COACH THE DREAM – 」が開かれた。 パネルディスカッションでは、女子スポーツでは競技のレベルが上がるにつれて女性指導者が少なくなることが指摘された。女子スポーツ全般での女性指導者は21%、トップレベルではわずか8%になってしまうという。
また、日本では中学生を境にスポーツをする人、しない人に二極化してしまう現実があることも指摘された。特に女子は、このタイミングではっきりと分かれてしまう。 さらに、男子野球はオリンピックやWBCや、WBSCプレミア12での日本選手の活躍が大々的に報じられているが、同じ「侍ジャパン」のユニフォームを着ている女子野球のワールドカップで7連覇の扱いは極めて小さい。これは筆者も実感するところだ。 大阪府堺市の桃山学院教育大学は、この「プレー・アカデミー with 大坂なおみ」の支援を受けて、地域の女子スポーツの振興に取り組んできた。
「本学の前身のプール学院大学は大阪で一番古い女子の高等教育機関の1つです。スポーツ教育にも理解が深くプレー・アカデミーの女子スポーツを盛り上げたいという理念に共鳴し、大学として地域に密着した女子スポーツ振興の取り組みを開始しました」 桃山学院教育大学、人間教育学部学部長の中村浩也教授は語る。中村教授は、堺市の「部活動」総括コーディネーターでもある。 ■女性アスリートの健康管理の研修も この取り組みを担当する同学部の村井愛実講師は語る。
「私たちは部活動指導者養成プログラムで、『部活動論』という部活動に特化した科目やコーチング論を学んだ学生を部活指導の現場に派遣することを考えていました。そのタイミングで、ローレウス財団を通じてプレー・アカデミーの話があり、元のプログラムに加えて、生理など、女性アスリートの健康管理やコンディショニングの問題に特化した研修、さらに子どもの権利を保障するためのセーフガーディング研修なども盛り込みました。これらを学んだ学生を、昨年度から部活の現場に実地研修で派遣しています」