「我が子を他人と比較する親」の特徴と3つの対策 なぜウサギは負けたのか?なぜカメは勝った?
【相談】 中1と小4の子どもがいます。私はいつも周囲の子と比較をしては、子どもに小言を言ってしまいます。小言をいくら言っても子どもは変わらないため、比較はよくないことはわかっているのですが、どうすれば、比較せずにいられるでしょうか。 (仮名:横山さん) ■目的をどこに置くのかによって結果に違いがでる 「比較しない」ということはとても難しいことです。どうしても周囲の情報が入ってきてしまいますし、目で見えてしまう状況で、比較しないでいることは至難の業です。
しかし、できれば比較はしないほうがよいと思います。 比較がよい結果をもたらさないこととして、有名なイソップ寓話の「ウサギとカメ」があります。どちらがゴールに早く到着するのか競ったお話です。結果はウサギが負けて、カメが勝ちました。大切なことはその結果ではありません。「なぜウサギは負けたのか? なぜカメは勝ったのか?」ということです。 一般的に言われる理由として、ウサギが油断して昼寝をしてしまったことにあります。しかし、それは直接的な理由であって、本質的理由ではありません。
本質的理由は「目的の違い」にあります。ウサギの目的は「カメに勝つこと」でした。一方のカメは「ゴールに到達すること」でした。この違いから、ウサギに油断が生まれました。ではなぜ、ウサギはカメに勝てると思ったのでしょうか? ここで、「比較」という言葉が登場します。つまり、ウサギはカメと「比較」し、その結果、自分が余裕で勝てると思ったから油断したということです。比較によってウサギはカメを基準に考えてしまったのです。一方のカメの目的は「ゴールに到達すること」であるため、ウサギは眼中になく、比較はありえません。ですから、コツコツと歩み続け、ゴールに到着したのです。
実はこのお話は企業研修でも取り上げる有名なネタでもあります。目的をどこに置くのかによって結果に違いがでるという内容ですが、その背景には「比較」があることは見逃せません。 ■なぜ人は比較するのか? ではそもそも、なぜ人はすぐ比較をしてしまうのでしょうか? その理由は2つ考えられます。 <人と比較をしてしまう2つの理由> (1)優越感を持ちたいから 人は周囲と比較して自分のほうが優れていると感じる気持ちを持ちたい傾向があります。例えば、他人の子どもと自分の子どもを比較して、自分の子どものほうが勝っていると、我が子を誇りに思い優越感が出てきます。それ自体に問題があるわけではありませんが、他者と比較しないと親が優越感を感じられないとしたら問題が起こります。