国産はどれくらい? 25歳男性の食生活、記者が追った
生産野菜も2割が輸入
阿部さんがよく購入するハンバーガーチェーンのウェブサイトで具材の数が比較的多いハンバーガーの原料原産地を調べた。パンの小麦は米国やカナダ、オーストラリア。牛肉パテはオーストラリアやニュージーランド。ここまでは記者の想定通りだ。 野菜はどうか。レタスは日本、台湾、米国、マレーシア、韓国。タマネギは、日本、米国、ニュージーランド。トマトは、日本、韓国、米国、メキシコ、ニュージーランド、カナダ、とあった。鮮度が求められる生野菜でも、アジアや北米産もあった。 次にコンビニのサンドイッチを調べた。同じくトマトやレタスなどの生鮮野菜が使われる。しかしコンビニ大手3社の東京都内の店舗で包材の表示を確認した範囲では、主原料のパンの表示はあるが、野菜の産地情報は見つけられなかった。生鮮トマトの輸入量は5500トン(23年)で、6割が韓国産。流通関係者によると、これらの主な仕向け先は、ハンバーガーやサンドイッチという。 食卓までの距離の近さや鮮度では、輸入より優位にある国産の生鮮野菜。だが、輸入野菜の中で、生鮮状態で輸入されるものは2割超を占める。その中で最多を占めるのが、タマネギだ。9割が中国産で、阿部さんの食べたケバブやかつ丼を含め、幅広く弁当、総菜、外食に使われる。 なぜ輸入野菜が使われるのか。加工のしやすさや供給の安定化などさまざまな要素を実需者は挙げる。 (玉井理美)
日本農業新聞