「試合に出るのが当たり前の環境では…」日本代表で2戦5発の上田綺世が思い描く“進化への青写真”「正解がそこに転がっているわけです」【現地発】
「上手くいっていなくても成長できる部分は多くある」
日本代表ではワールドカップ・アジア2次予選のミャンマー戦でハットトリック、シリア戦で2ゴールと大当たりした上田は、日本メディアに「相手が相手でしたから」と答え、エクセルシオール戦後も同様の言葉を残した。しかしながら、ストライカーはゴールを決めることで自信が生まれ、そのことでチームに勢いがつくもの。やはり、上田がゴールを重ねたことは、本人とチームにいい影響を与えたのではないだろうか。 「それがフォワードの特権というか、フォワードがもたらす効果のひとつだと思っています。特にミャンマー戦なんかは、先制点がかなり重要な試合でした。前半の10分台で(上田が11分に)ゴールを決めたのは大きかった。 シリア戦はちょっと気まずい雰囲気になっている中で、タケ(久保建英)が一発決めてがらりと試合が変わった。 ああいう相手に対して先制点を、どこで取れるかというのがすごい重要で、(取れない時間を)引っ張れば引っ張るほど、 どんどん重い雰囲気になるし、 僕らにも焦りが出たりして、相手のリズムになっていくと思う。前半のうちに点を取るっていうのはすごく重要。そこでフォワードが決めたらより乗ると思う。タケが取った後に、すぐに重ねて取れたのは良かったと思います」 上田、久保といった取るべき人がゴールを決めると、やはりチームのムードが変わるのだろう。フェイエノールトもまた、ヒメネスがゴールを決めて、本人とチームに弾みがついて勝利する流れができている。 「そうですね。サンティ(ヒメネス)が点を取れない試合はけっこう苦しんでいると思うんですよ。言い方は悪いですが『サンティが出ないと勝てない』という見方をされるのかもしれません。でも、そこがフォワードのひとついいところだし、必要とされる部分です。 サンティの姿勢、ゴール、サンティがいるっていうことが、チームにとっての信頼です。チームメイトも自信を持ってボールをサンティに預けているし、サンティも自信を持ってプレーしている。そこには信頼があるし、それがフォワードのいいところだと思うんです。それを僕も勝ち取らないといけない。それは代表でもクラブでも同じなのかもしれません」 日本代表では豊富なシュートのレパートリーを披露し、結果も残した上田だが、所属クラブでは出場時間に恵まれない。 「試合に出るのが当たり前の環境では、成長率は決して高くないと思っています。上手くいっていなくても成長できる部分は多くある。今は成長のときかな、と思います」 取材・文●中田 徹
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