【ウインターカップ2024】大きく飛躍する美濃加茂の林龍幸ヘッドコーチ「昭和っぽさが今の時代に意外に良いのかも」
美濃加茂は昨年のインターハイで1回戦敗退の屈辱を味わったが、冬に向けて大きく成長し、ウインターカップではベスト8進出を果たした。そして今年、インターハイでは冬に敗れた福岡大学附属大濠を破って決勝へと進出。チーム史上初の全国ベスト8、そして準優勝と急成長するチームは、留学生のエブナ・フェイバーを含む主力の多くが3年生の『勝負の年』の集大成となるウインターカップを迎える。就任34年目の林龍幸ヘッドコーチに、その意気込みを聞いた。
「注目されていると感じますがピンと来ていない」
──インターハイの準優勝で、周囲からの見方も変わったのではありませんか。 いろんな人たちに見ていただいていると実感する1年になっています。結果が出たことで注目されていますが、良い時も悪い時もある中での『たまたま』です。やっていることは今までとあまり変わっていないのが正直なところなので、注目されていると感じますがピンと来ていないのが正直なところです。 ──インターハイの決勝進出は岐阜勢として初で、これまでの記録は林コーチが現役でプレーしていた当時の岐阜農林の3位だったと聞きました。 そうなんです(笑)。岐阜市で生まれ育って中学からバスケを始めて、たまたま私が活躍していた試合を岐阜農林のコーチだった荒井強平先生が見られていて、お声掛けをいただいて、岐阜農林に行きました。高校2年生の石川インターハイで、選抜がその時は3月だったのですが、そこで3位になっています。 ──大阪体育大を卒業して岐阜県に戻ったのは、岐阜県で勝ちたいという思いがあったからでしょうか。 一人っ子だったので、岐阜に戻るしか術がありませんでした(笑)。昔は「母校に勝ちたい」という思いを持ってやっていました。創部5年ぐらいで東海大会には行けましたが、全国大会に行くまでにそれから10年ぐらいかかりました。そこからは1回戦や2回戦では勝ててもベスト8は難しかったです。そうして岐阜県で他のチームが留学生を取ったので、「ウチも取ろう」となりました。今のフェイバーが3人目の留学生です。 ──岐阜県では高山西が最初に留学生を取って、今は富田にも留学生がいますし、留学生プレーヤーが岐阜県のレベルを一気に押し上げた感があります。留学生を受け入れた当初は苦労もあったのではありませんか。 そうですね。アフリカから来た留学生は右も左も分からないし、私も最初の頃は「国を離れて日本に来てくれた」という思いもあって優しく接していました。最近ようやく自分たちのペースに留学生を含めて持っていけた感があります。 ──前田将秀アシスタントコーチは教え子ですね。 順天堂大でキャプテンをやってウチに戻って来ました。私のスタイルを分かっていますし、私が選手に厳しく指導した後のフォローも彼なりに考えてやってくれるので、たまに行き過ぎることもあっても、選手が理解してついてきてくれています。私も練習では厳しく指導しますが、選手もそれに対してやり合うような感じでお互いに高めていけたところが今年は大きいんじゃないかと思っています。