猛暑の夏フェスはもう辛い...。涼しく快適に音楽を楽しめる「秋フェス」のススメ!
そのため、日本の音楽フェスは"日本発の輸出産業"としての可能性も秘めていると津田氏は言う。 「コロナ禍が収まってから、タイやジャカルタ、香港などアジアの各地で続々と新たな音楽フェスが誕生しています。そこで彼らが手本としているのが、日本の音楽フェスです。 日本は経済的に弱くなったとよく言われます。しかし、音楽フェスは違います。経済規模では中国やインドに圧倒されていますが、日本のフェス文化のように、自国の文化をひとつのパッケージとして海外に発信するようなコンテンツは、アジアの国々では日本以外にありません。 フジロックが始まった1997年を日本の音楽フェス元年とするなら、すでに25年以上の歴史がある。そこで培ってきたノウハウは簡単にコピーできるものではありません。 今年8月にサマソニがタイのバンコクで初開催されましたが、それはアジアの各国が経済成長を遂げる中で、日本のフェス文化に大きな期待が寄せられていることの証明といえます。大げさでなく、音楽フェスは日本の希望だと思っています」 日本国内だけでなく、海外にも広がる日本のフェスカルチャー。その勢いを感じるためにも、今年は秋フェスに足を運んでみてはいかがだろうか。 ●津田昌太朗(つだ・しょうたろう)1986年生まれ、兵庫県出身。大学卒業後、大手広告代理店に入社。退職後はイギリスに移住して海外フェスを横断するプロジェクトをスタート。帰国後、日本最大級の音楽フェス情報サイト『Festival Life』の編集長を務める。国内外のフェスカルチャーについて広く発信中。著書に『THE WORLD FESTIVAL GUIDE 海外の音楽フェス完全ガイド』(いろは出版)など 取材・文/小山田裕哉 イラスト/川原瑞丸