猛暑の夏フェスはもう辛い...。涼しく快適に音楽を楽しめる「秋フェス」のススメ!
津田氏が続ける。 「日本では現在、サマソニを含め、『FUJI ROCK FESTIVAL』(以下、フジロック)、『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』、『RISING SUN ROCK FESTIVAL』という"四大フェス"が7月から8月にかけて開催されています。 これだけ大規模なフェスが連続しているとアーティストのブッキング調整だけでも大変です。また会場側の都合もあり、例えばサマソニ(東京)の主会場であるZOZOマリンスタジアムでは、野球の試合日程との兼ね合いもあります。 さらに、大規模フェスが始まった頃に比べると、春や秋にも多くのフェスが開催されるようになり、そういったバランスもあって簡単には日程をズラせないんです」 ■フェスが秋に拡大した背景 夏フェスの課題が浮き彫りになる中、今注目を集めているのが9月から11月にかけて開催される音楽フェス、通称"秋フェス"だ。 「夏フェスが『十分に暑さなどの対策をして参加するもの』となった今、秋フェスは音楽フェスの初心者にこそぴったりです。 まず、夏に比べて涼しくて快適。家族連れも過ごしやすく、私自身も子供と行くのは秋フェスです。加えて、夏フェスに比べて中小規模でジャンルも多様なので、自分好みのものを探しやすくなっています」 津田氏によると、秋フェスは猛暑が問題になる前から始まっているという。 「1990年代末から2000年代初頭に相次いで始まった"四大フェス"が日本のフェス文化を牽引してきた影響で、今も『音楽フェス=夏フェス』といったイメージが定着しています。しかし、この"四大フェス"が大きな集客力を持つため、00年代中盤以降に始まった新しいフェスは春や秋の開催に分散していきました」 中でも秋フェスの元祖といえるのは、フジロックを運営するSMASH主催の「朝霧JAM」だ。 「01年に静岡県富士宮市で始まった朝霧JAMは、当初から『夏フェスの打ち上げ的イベント』といった位置づけで10月に開催されていました。フェス好きの間では、『これが終わるとフェスの季節も終わりだね』なんて会話が交わされていたほどです。 フェス文化が盛り上がるにつれ、春や秋開催のフェスが増加。6月は梅雨時なので、新しいフェスは4~5月、9月以降の開催が多いです」