猛暑の夏フェスはもう辛い...。涼しく快適に音楽を楽しめる「秋フェス」のススメ!
また、ほかの要素と音楽フェスをかけ合わせることで個性的なイベントをつくり上げている点も、秋フェスのもうひとつの特徴だそうだ。 「近年はキャンプ文化も大きく盛り上がっていますが、夏フェスでのキャンプは、暑さ対策などしなければならないことも多く、やはり気候が穏やかな秋のほうが快適です。 群馬県の水上高原で行なわれる『New Acoustic Camp』は、その名のとおり、キャンプと音楽を楽しむイベントで、キャンプ好きからの評価も高く、今年で15周年を迎えます。家族でキャンプしながら楽しむ秋フェスとして、私はこれが最もオススメですね。 また、全国にフェス文化が広まったことで、地方から『旅行と合わせて音楽フェスを楽しもう』と呼びかけるケースも増えています。沖縄県の宮古島で行なわれる『MIYAKO ISLAND ROCK FESTIVAL』では、航空会社のJALと提携したツアーパックも販売。 また、福島県の『LIVE AZUMA』は地元の名物が味わえるマーケットを押し出すなど、観光とセットで楽しめるフェスも増えています」 このように地方では、秋フェスが地域振興のイベントとしても活用されている。 「埼玉県東松山市で行なわれる『麦ノ秋音楽祭』は、地元の名産であるクラフトビール醸造所の敷地を利用することで、『ビール×音楽』をテーマに掲げています。 温泉地として有名な大分県の別府でも、『いい湯だな!』という都市型フェスが行なわれており、秋フェスの多様化は今も進み続けています」 ■フェスが日本の輸出産業に!? しかし、なぜ秋フェスはここまで広がったのか。やはり、記録的な夏の猛暑を避けるという理由が大きいのか。 「猛暑は理由のひとつに過ぎません。本質的なのは、日本のフェス文化の豊かさです」 どういうことか。津田氏が次のように解説する。 「海外から来た友人を日本の音楽フェスに連れていくと、『こんなに音が良くて、こんなに食事がおいしくて、こんなにゴミのない清潔なフェスは初めてだ』とみんな感動してくれます。まったく日本の音楽を知らない人でさえ、そう言ってくれるのです。 実は、日本の音楽フェスは海外と比べても軒並みクオリティが高い。各地に音楽フェスが乱立しても、互いに共存できるくらい運営がしっかりしています。それが秋フェスが増え続けている最大の理由です。 実際、3~5年目でなくなってしまうフェスも少なくない中で、日本では10年、15年と着実に歴史を重ねるケースも珍しくありません」