技術スキー王者、武田 竜選手に聞く! 39歳で5連覇に挑むカラダ作りの極意とは?
武田 シーズン明けの春はロードバイクなどを使って有酸素運動中心に汗をかいて、6~7月は脚や目を使うサッカーをやったり、ハードルやラダーを使ってジャンプ力や敏捷性を強化したり。スキーは基本的に“脚スポーツ”なので。秋以降はウエイトトレーニングがメインになりますね。 実はゴルフが趣味なんです。ベストスコアは71で、2~3年前から競技会にも出るようになりました。 ── ゴルフの腕前もスゴいんですね! 日々いろいろな種目でカラダを動かしているようですが、スキーではどの部分の筋肉が重要になるのでしょう? 武田 足腰の強さが大切なので、お尻の大臀筋ともも裏のハムストリングです。上半身だと、肩甲骨周りの筋肉と背筋も鍛えますね。後ろ側全体に刺激を与えながら、バランスを取るために前側も鍛えます。 ── 現在は指導者の立場でいる時間のほうが多いにもかかわらず、ものすごくトレーニングをされている感じがします。 武田 いえ、オリンピックを目指していた頃に比べたら緩い感じです。いまは当時よりもだいぶ筋肉が落ちて、カラダがひと回り小さくなりましたから。食事面も同じように、もうそれほどストイックではないんですよ。アルペン競技に本腰を入れていた頃は、標高の高いところで毎日何本も滑走するキツい練習をしていたし、パフォーマンスを最大限に発揮するための適正体重を保てるよう、食事を厳しくコントロールしていました。 いまは指導者なので、たとえ会食が長引いてしまっても、翌日は早朝からゲレンデに出るなんてこともけっこうあります。でも、子供の時からずっとスキーをやってきたから、それでもきちんと滑れちゃうんですよ。
── そうなんですね。では現在、食生活で気をつけていらっしゃることはありますか? 武田 炭水化物の摂り方に注意するくらいですかね。僕は夏に痩せて冬に太りやすい体質なんです。だから、シーズン中は量を減らさないといけない。選手仲間には食べても食べても痩せちゃう人もいるし、自分の体質を知ってコントロールするのが大切だと思います。 ── サプリメントは何か利用されていますか? 武田 いまも昔も特に何も摂ってないです。僕は昔から好き嫌いなく何でも食べるし、サプリメントで何かが変わる感じはしないので。食事とトレーニングで、充分にコンディションを整えられると思います。 ── コンディションを保つためには睡眠も大事ですよね? 武田 分かってはいるんですが、シーズン中はどうしても睡眠は少なくなります。ほとんどホテル生活なのでヘンな枕だと寝付きが悪かったりするけど、「ブレインスリープ」の枕に換えてからすごくよく眠れるようになりましたね。国内の移動ではつねに持っていきます。 ── 武田選手はふだんからお洒落も好きかと思いますが、服をカッコ良く着るためにはどんなトレーニングが最適でしょうか?