77%が入学定員割れの女子大学! 人気下落の5つの理由とそれでも女子大学を選ぶメリットは?
女子大学は生き残りをかけた改革の最中
入学定員を確保している女子大学も、生き残りをかけた動きを見せています。理由➃で触れたように、女子大学は学べる学問領域を増やしてきましたが、新時代に対応すべく学部学科の新設・再編の動きも盛んです。 2025年度にも大妻女子大学がデータサイエンス学部、実践女子大学が環境デザイン学部、安田女子大学が理工学部と教育学部、武庫川女子大学が環境共生学部、甲南女子大学が心理学部の新設を予定しています。駒沢女子大学、清泉女子大学、東京女子大学、日本女子大学、フェリス女学院大学、神戸女学院大学は、2025年度からの学部学科再編を発表しています。このような変革は、共学大学よりも急ピッチで進んでいるように思います。 さらに私立女子大学は、社会の変化に対応したさまざまな取り組みを行っています。日本女子大学は近年の受験生の都心志向に対応して、2021年4月に神奈川県川崎市にあった人間社会学部を移転し、全4学部と大学院を東京都文京区の目白キャンパスに統合しました。東京女子大学は国際基督教大学と包括協定を締結しました。 在籍以外の大学で単位を取得できる「単位互換制度」を活用して、共学大学でも学べる機会を設けている女子大学もあります。津田塾大学、東京女子大学、日本女子大学などがその一例です。 加えて、「高大連携」にも積極的です。高大連携は、提携高校に対して大学独自の研究内容や学部の情報を提供したり、大学生や教員と交流する機会も設けたりなど、活発なコミュニケーションがあるのが特徴です。 以上のように、女性の社会進出や男女共同参画が当たり前となった今の時代にあわせて、多くの女子大学では女子学生にとってのメリットを第一に考えた変革や取り組みを行っています。「時代遅れ」と安易に決めつけることなく、それぞれの大学独自の取り組みに目を向けてみてはいかがでしょうか。 そして女子大学側には、大学そのものが持つ魅力や変革の取り組みを、高校生や保護者へわかりやすく伝える努力が、今まで以上に求められていくことでしょう。
寺田拓司