「金輪際、親子になれないがそれでもいいか」貴乃花光司が語る相撲の原点と父子物語
相撲協会を離れた2年前から、やっと取組の夢を見なくなった
―ちなみに、寝ているとき当時の相撲の夢は見ますか。 貴乃花さん: 現役力士を引退してから18年、いま年齢は48歳です。 2年前くらいから、相撲の対戦の夢を見なくなりました。 それまではずっと、相撲で戦っている自分の夢を見ていましたね。 それが、ほとんどが負けている夢なんです。相手が強くてまったく歯が立たない。 土俵際にじりじり追い詰められて、必死で力を入れているんだけど、最後に押し出されたり、投げ飛ばされたり。土俵下でひっくり返って天井をあおぐ、自分で立とうと思うんだけど立てない。そんな夢です。 あ、いま気がついたんですけど、相撲協会を離れたのが2年前。それから相撲の夢を見なくなったかもしれないですね。 でもね、夢の中でも相撲相手は怖い。対戦の夢は見たくないです(笑)。 ―最後にいまの大相撲についてご意見はありますか。 貴乃花さん: 大相撲は日本の伝統文化、また神事でもありますが、一方で、大衆の人気に支えられる興行でもあります。 これからは女性に、誇らしげに相撲は国技だよねと言ってもらえるよう、興味を持ってもらうのが最優先課題ではないでしょうか。 ファンの裾野を広げて、男女ともに、またお子さんからお年寄りまでが楽しく見てくれるようなスポーツになればいいなあと思います。 伝統文化を守りつつ、そのなかで新しいことを取り入れていけば、きっとさらによくなるんじゃないでしょうか。 陰ながら見ています。 あと、このインタビューでずっと対戦相手が怖いって語っている私ですけどそれは私がビビりなだけで、相撲は、見るのもやるのもほんとうに楽しいですよ(笑)。 (制作協力/シオン)