“なまはげの聖地”を走る「JR男鹿線」で“無賃乗車”横行疑惑 知られざる不正の温床とは
今こそナマハゲの出番だ
なお、広報担当者は「運賃の支払い方法などについては、ホームページやポスターなどで周知している」と語りつつ、「そもそも、改札のない無人駅の利用状況は把握していない」とも述べた。こうした状況だから無賃乗車がなくならない、と言われても仕方なかろう。無論、それは男鹿線に限ったことではない。他の地域のローカル線でもごくごく普通にみられるし、既に述べたように、筆者も目撃したことがあるのだ。 しかし、JR側も真剣に取り締まってこなかったのも事実だ。そのような姿勢が住民のモラル崩壊を招いているのではないか。さらに、数百円であっても、ローカル線の売り上げのためには大切なはずだ。料金を払わずに鉄道を利用する、そんなモラルのない住民が鉄道の廃線を招いているのではないか。 無賃乗車の横行を指摘したA氏は現役時代、しっかり運賃を払って利用している乗客に申し訳ない気持ちでいっぱいだったと話す。 「車内巡回をすると決まった金額の小銭を握りしめて待っていてくれるお客さまにお会いしますし、“この前払えなかったから”と言って、わざわざ有人駅に支払いに来るお客さまもいます。こういった、きちんと支払いを行って乗車しているお客さまには……申し訳ないですよね」 ところで、男鹿は「悪い子はいねが~」と雄叫びをあげて、家々を回る伝統行事「ナマハゲ」で有名な地域だ。深刻な問題である。不正乗車をする輩は、今こそナマハゲに厳しく叱ってもらう必要がありそうだ。 ライター・宮原多可志 デイリー新潮編集部
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