レジャー白書2024発表、レジャー市場のトップは国内旅行で4740万人、外食は4位から2位に上昇、要因は訪日客増
日本生産性本部の余暇創研は2024年10月31日、「レジャー白書2024」を発行する。2023年の余暇活動についてアンケート調査や各業界の市場分析を検証して取りまとめたもの。このほど概要が発表された。 2023年はコロナ禍が収束に向かい、新型コロナウイルスの位置づけが「5類感染症」に引き下げられたことで、国内観光旅行などの外出を伴うレジャーをはじめ、多くの活動で参加人口が増加したと分析。余暇関連の市場規模は前年比13.4%増の71兆2140億円となり、2019年比で98.5%の水準まで戻ったと推計した。ただし、物価上昇の影響が単価に影響していいることから、参加率とは違う傾向で市場が膨らんでいる点も指摘している。 「レジャー白書2024」によると、2023年の余暇活動の参加人口は「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)」が4740万人でトップ。2022年の4080万人から660万人増加し、2022年に続き首位となった。また、外食が2022年の4位(3410万人)から2023年は2位(3820万人)にランクアップ。日本生産性本部の余暇創研は「在宅レジャーも上位で多くの種目で参加人数が増加するなかでも、コロナ5類移行の影響か、外食、温浴施設、遊園地・テーマパークなど、外出を伴う種目で多く順位が上昇している」とみている。また、外食が躍進した要因のひとつとして、訪日客の影響をあげた。 コロナ禍で低迷した「観光・行楽部門」は、反動もあって大きく回復している。2019年比で2020年は43.7%減、2021年43.3%減、2022年25.9%減だったが、2023年は2.1%減(2022年比では32.1%増)と伸び率が著しい。優良動画配信サービスや電子出版の勢いに劣る部分もあるが、「国内旅行需要の高まりにインバウンド効果が加わりホテルや遊園地・レジャーランドが急速に回復した。旅行業はこれまで回復が遅れていた分、2023 年に大きく戻した。鉄道や国内航空も大きく伸びた」(日本生産性本部の余暇創研)。 こうした調査結果を受け、桜美林大学ビジネスマネジメント学群教授の山口有次氏は、「余暇関連市場の拡大は、全般的に値上げが進行し単価が上がったことも大きく寄与した」と指摘。「コロナ禍前からみられコロナ禍で加速したレジャー活動のネット化、デジタル化の傾向は、伸び率は落ちても関連分野の増減に表れている一方、スポーツ観戦や鑑賞レジャー、学習レジャー、テーマパークなどにおいて、その時しか味わえないライブ感のある体験の価値も増している」などとコメントしている。
トラベルボイス編集部