エンジンオイルの缶に書いてある「0W-20」に「10W-30」! 潤滑だけじゃないオイルの役割と数字の意味を誰でもわかるように詳しく解説!!
■粘度はどうやって選べばいいの?
間違いのない基本的な考えはメーカーの推奨するオイル粘度を選ぶということでしょう。設計時の部品のクリアランスなどはその粘度を基準としていますので、まずそれが前提になります。 なのでここからは一般の傾向の話をしていきます。 粘度表記を見たときにまず頭の数字に引っ張られてしまう傾向もあると思いますが、先述のように基本は後半の数字のほうです。 標準は30か40を選んでおけば外さないと思いますが、猛暑の時期に険しい山道を走ったり高速道路を連続で走行するのが多いようなときや、サーキット走行をするとき、あるいはエンジンをチューニングしたときなどは粘度が高いものが必要になることが多いと思います。 また、昨今の低燃費車に搭載されるエンジンは、クリアランスを突き詰めて低フリクションの設計がなされているものが多く、オイルにも抵抗の低さが求められるため、粘度が低いものを指定するケースも少なくないでしょう。 年に2回のオイル交換を習慣にしているという人も少なくないと思いますが、その場合は暑い時期用に少し高粘度のものを、寒い時期用に低粘度のものを選ぶのもアリだと思います。 そして、それをベースにして低温時の粘度を選択していきます。こちらは主に始動時とその直後のことを考えて選択します。主に冬場への対応が中心になるでしょう。 先述のように平均で零下になる地域はその気温に合わせてグレードを選びます。このとき、大は小を兼ねる理論で「よくわからないから0Wを買っとけばOKでしょ」という考えはある意味OKだと思います。 ただし、低温時の特性を高めるためには添加剤などの調整成分を配合する必要があり、基本の潤滑性能にもわずかながら影響します。価格にも反映されるので、その点も踏まえて選んでください。 最後に注意点をひとつ。 低燃費車が指定する低粘度のオイルで高温時に高負荷高回転の走行を連続で行うような場合、設計時の想定を越えてしまうことが考えられます。粘度の低下による油膜切れの恐れを考慮して高粘度のオイルに入れ替えるなどの対策を考えたほうがいいでしょう。
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