中日が『現役ドラフト』で獲得した伊藤茉央、武器は直球と変わらぬスピードの“高速シンカー”、喜多方ラーメン好きの一面も
現役ドラフトが9日、非公開で行われ、中日は楽天の2年目右腕・伊藤茉央(まお)投手(24)を獲得した。2023年にドラフト4位で楽天に入団した伊藤は1年目の昨季こそ25試合で1勝0敗、3ホールド、防御率3・27の成績を残したが、2年目の今季は1軍で6試合登板のみに終わり、防御率7・94と苦しんだ。その一方で2軍では41試合に登板し、防御率2・64と安定した成績を残した。 伊藤は近年、特にセ・リーグでは少なくなった右の変則サイドハンド右腕。何よりの武器は140キロ台後半から150キロ近い球速がある上、鋭い変化を見せる高速シンカーだ。 中継ぎとしてマウンドに登った試合を何度も取材したが、最後に打者を仕留める決め球だけではなく、不利なカウントを整えていく球としても極めて有効。直球の最速が151キロでシンカーの球速とあまり変わらないため、2つの球種を区別することはなかなか難しい。 さらに、スライダーも駆使。1年目の投球ではパ・リーグの強打者たちの内外角をゆさぶってゴロアウトを奪っていったのが印象に残っている。さらに、本拠地の仙台を中心にまだまだ肌寒い3・4月に12試合も登板したことから分かるように体の方もタフ。細かいコントロールさえ取り戻せば、中継ぎとして輝きを取り戻せるだろう。 右腕が持っているもうひとつの魅力はとびきりの笑顔。11月23日に楽天モバイルパーク宮城で行われたファン感謝祭の際に言葉を交わしたが、スマイルを浮かべて来季の健闘を誓っていた。喜多方ラーメンで有名な福島県喜多方市で生まれ育ったこともあり、ラーメンが大好き。そんな右腕がバンテリンドームナゴヤで躍動する日が待ち遠しい。(23、24年楽天担当・川越亮太)
中日スポーツ