「べらぼう」小芝風花、花魁役に挑む中で「高下駄の練習をしていたら人が来て…」
――公式SNSに投稿された動画では、奇麗な花魁道中を披露されていました。高下駄(げた)での撮影ではどのような苦労がありましたか? 「げたを借りて自主練習しようと思ったのですが、家の中でするわけにはいかないので、公園に持って行ったんです。そうしたら、2~3歩歩いたところで人が来てしまって、急いで回収して(笑)。それからは家の敷地内で練習していたのですが、結構人目につく高さなので、自主練習は難しかったです。撮影ではお着物もすごく重い中で、高いげたをコントロールしながらゆっくり歩かなきゃいけなかったので、ふくらはぎが筋肉痛になりました」 ――手応えはありましたか? 「歩いた後にげたを引きずった跡ができるのですが、毎回カットがかかった時に振り返って、均一に跡ができているか確認しながら挑んでいました。所作指導の先生に相談して、花の井の歩き方と、瀬川(花魁)を襲名した後では印象が変わるように意識したので、そこに注目していただけたらうれしいです」 ――今回、花魁の華やかな世界とオフの姿、両方が描かれていますが、演じる上で気持ちの変え方など意識されたことはありますか。 「口調は、外に出ている時はなるべくゆったりと話して、蔦重といる時は幼なじみの何も飾っていない素の感じが出るように意識しました。スイッチは、メークを塗ったら自然とオンになり、おしろいを落とすと、すっぴんを見られている感覚になって恥ずかしいのですが、スイッチがオフになって自然と体の力の入り方も変わったりします」 ――小芝さんの幅広いお芝居を楽しみにしています! 花魁を演じていて楽しいなと思うのはどんなところですか? 「花の井はすごく頭のいい女性だと思うんです。花の井が働く松葉屋のトップの松の井(久保田紗友)は、男性が付いて行きたくなるような、あがめたくなるようなイメージなのに対して、花の井は男性一人一人が求める女性像になれる人な気がするんです。監督とも、『お客さんのちょっとした言動から、その人が一番くすぐられるところを刺激している人だよね』という話をしていたので、お客さんと対峙(たいじ)している時はいつも『どうやったらこの人に“もっとこっちを向いてほしい”と思ってもらえるんだろう』と考えています」