鎌田大地の新たな挑戦と現在地。日本代表で3ゴール関与も、クリスタル・パレスでは異質の存在「僕みたいな選手がいなかった」
イングランドで輝き始める日は…
だが、日本代表として出場したFIFAワールドカップ・アジア最終予選のバーレーン戦での鎌田のパフォーマンスから判断するなら、クリスタル・パレスではまだまだポテンシャルをフルに出せていない印象だ。 日本代表の先制点の場面では、腕を広げてスルーパスを要求し、クロスボールを入れて相手のハンドを誘発した鎌田のフリーランが光った。 3点目のシーンでも、サイドのスペースに飛び出してパスを求めた鎌田に、守備的MFの守田英正からロングパスが入ったのがその始まり。4点目のシーンでも、三笘薫にスルーパスを出したのは鎌田だった。 いずれもパスの“受け手”にも“出し手”にもなれる鎌田のストロングポイントが表出したシーンだが、周囲との連携が完成されていないクリスタル・パレスではこうしたプレーはまだ少ない。プレミアリーグでも、日本代表でのような活躍を今後増やしていきたいところだ。 鎌田は言う。 「僕自身、ディフェンスの選手たちを背負いながらやるようなタイプではない。ワンタッチでボールを捌いたり、良いポジションに入って、良いところでボールを受けて──というようなプレーをやりたい。基本的にどのリーグでもやることは変わらないですけど、まだまだ良くなる感触はあります。もっと良くなるという感じですかね」 鎌田は淡々と、そしてひょうひょうと語った。クリスタル・パレスはこれからレスター戦(14日、プレミアリーグ)、英2部QPR戦(17日、リーグカップ)、マンチェスター・ユナイテッド戦(21日、プレミアリーグ)と連戦が続く(※)。 この夏、イタリアから世界最高峰プレミアリーグに挑戦の舞台を移した鎌田大地。周囲との相互理解が進めば、イングランドで輝き始める日は、そう遠くないはずである。 ※日時はいずれも現地時間 <了>
文=田嶋コウスケ