耳をふさがないイヤフォン、NTT子会社「nwm」も5000円以下で挑戦 密閉型のデメリット解消を目指す
NTT子会社で音響関連事業を行うNTTソノリティは11月20日に、オープンイヤータイプのイヤフォンとして、スマートフォンなどとのBluetooth接続が可能な「nwm DOTS(ヌーム ドッツ)」、有線接続タイプの「nwm WIRED(ヌーム ワイヤード)」を発表した。公式ストア、直営店、Amazon、楽天市場、家電量販店で同日から順次販売する。市場想定価格はnwm DOTSが2万4200円(税込み、以下同)で、nwm WIREDが4950円となっている。 【画像】密閉型イヤフォンが生む弊害 nwmは没入ではなく“共存(Co-being)”をコンセプトとするNTTグループ初の音響ブランド。オープンイヤー型ながらも音漏れを抑制する技術を活用し、耳をふさがずに音楽を視聴したり、オンライン会議で相手の声を聴いたりできるのが大きな売りだ。2モデルの特徴や市場に投入する狙いは何か。NTTソノリティの坂井博社長と、クリエイティブディレクターの竹内慎太郎氏が語った。
nwm DOTSとnwm WIREDの違いは
nwm DOTSはある音波(正相)に対し、180度位相を反転させた波形(逆位相)を重ねることで、音が消える原理を応用した「パーソナライズドサウンドゾーン(PSZ)」技術に加え、音が2つのマイクに到達する時間差から音響空間を認識して話者を特定するビームフォーミング、雑音を除去して音声だけを抽出するスペクトルフィルターを応用した「Magic Focus Voice」という技術を搭載したイヤフォンだ。 PSZにより耳元に音を閉じ込めて音漏れを最小限に抑え、Magic Focus Voiceにより雑音が多い環境でも、自分の声をクリアに音を仕分け、聞く人のストレスを軽減するようなイメージだ。PSZとMagic Focus Voiceという技術をダブル搭載したイヤフォンタイプの製品は今回が初めてとなる。 カラーはストーンホワイト、チャコールブラック、マスタードイエロー、バーガンディレッド、モスグリーンの5色から選べる。nwm DOTSというネーミングはカラーだけでなく、「点と点がつながり、人々が共存していけるというようなメッセージを込めている」(竹内氏)そうだ。 同社がnwm DOTSの開発時に最も追求したのは「音質と音漏れ抑制の向上」(竹内氏)だ。「スピーカーのサイズそのものは旧モデル(nwm MBE001)と同じ12mm径だが、新規設計のドライバーにより、特に低中域の厚みが増し、音質が向上しつつも、PSZにより音漏れの抑制性能を保持した」(竹内氏)という。 連続再生時間(音楽再生時)はイヤフォン本体のみで最大8時間、充電ケースを併用すれば最大で32時間となっている。充電ケースはUSB Type-Cケーブルで充電し、イヤフォンは充電ケースにしまうだけで充電できる。イヤフォンを充電ケースに収納し、5分充電すれば約1時間、音楽を再生できる。 重量は「片耳8gと旧モデル比で12%軽量化」(竹内氏)しており、装着感の向上を目指し、「耳の後ろにかけられるシリコンフックと、耳の厚みや形状に合わせて装着位置を固定できるテールチップを新たに開発した」という。テールチップはS/M/Lの3サイズがある。紛失した場合の単品販売については検討中とのことだ。 nwm WIREDは「バッテリー切れや遅延の心配がなく、PCなどの3.5mmイヤフォンジャックに挿すだけで、すぐに音声を聞き取れる」(竹内氏)有線イヤフォンで、「全ての人が手に取りやすいよう、コストパフォーマンスを追求したエントリーモデル」でもある。 耳元に音を閉じ込めて音漏れを最小限に抑えるPSZ技術のみの搭載とはなるが、「旧モデル(nwm MWE001)と比べて音漏れしづらくなり、両耳約7.2gと20%の軽量化を果たした」(竹内氏)という。 イヤフォンのカラーは「老若男女を問わず持てるよう、ベーシックなパステルカラーを採用」し、ダークブラウン、ホワイトベージュ、ネイビーブルー、ミントグリーン、コーラルピンクの5色を用意した。「書類とじ器を一切使用しないパッケージはあえてガジェットらしくない見た目とし、ギフトで送りたくなるような製品に仕上げた」としている。