ラージサイズだけど“通好み”なヘッドが魅力 コスパも最強な『MX-1 SPEED METAL』
ドライバーのヘッドスピード40m/sのアマチュアゴルファーでも、最新ギアを使いこなせるのか? ベストスコア「67」の元競技ゴルファーでロマン派ゴルフ作家の篠原嗣典が実際にコースに持ち込んで検証しました。 『MX-1 SPEED METAL』はラージサイズのヘッドでもトップラインが薄い本格顔! ミズノの『MX-1 SPEED METAL』アイアンは、2024年11月27日に直営店限定(公式オンランショップ含む)で発売。同年春に発売された『MX-1 FORGED』と『MX FORGED PRO』に続く、追加機種となります。 『MX-1 SPEED METAL』のコピーは、“高初速でやさしい、ラージサイズキャビティアイアン”です。『MX』シリーズは、ミズノが誇る二大看板の『ミズノ プロ』と『JPX』の間を埋めるアイアンとなります、と説明を聞きましたが、新しい『MX-1 SPEED METAL』は、より『JPX』に近いのだと推測できます。 素材は、「ステンレススチール(SUS630)」で、製法は「精密鋳造」です。溶接部がない「高弾道シームレスカップフェース」というテクノロジーは、すでに他のアイアンでも実績があります。高初速エリア拡大と深低重心化を両立して、高弾道で飛距離を稼ぎます。「コアテックフェース」は、フェース薄肉部を上下左右に広げることで、鍛造製法では難しかった高反発性能と深重心と大慣性モーメントを実現したテクノロジーです。大きなヘッドに、最新のテクノロジーを詰め込んだのが、『MX-1 SPEED METAL』です。 スペックを見てみると、7番アイアンのロフトは29度。クラシックなロフトのアイアンより約1番手アップの飛距離は保証されている飛び系のアイアンと分類できます。 テクノロジーではありませんが、『MX-1 SPEED METAL』の凄いプラスポイントは、価格です。6番~9番、PWの5本組で、直販サイトで75,000円(税抜き)なのです。ミズノのアイアンセットで消費税が入っても8万円と数千円で買えるのです。思わず拍手してしましました。 先行モデルの二つのアイアンは素晴らしいデキだったので、『MX-1 SPEED METAL』にも自然と期待をしてしまいます。集中しつつ、試打ラウンドに突入しました。試打した日は、快晴、気温は1℃~17℃。微風。ボールは、使い慣れていて、クラブの影響だけに集中できる『TOUR B X』です。 【打感・打ち応え】 『MX-1 SPEED METAL』の打音ですが、音量はちょうど良い大きさです。音質は、残響が少ない硬質音に鞭系の音が微かに混じる独特な音。打ち応えは軽く、手応えは鈍感。芯感はクリアですが、ミズノらしさは感じません。 【弾道・球筋・スピン性能】 『MX-1 SPEED METAL』の弾道は高弾道。普通に打つとややフェードします。ドローも打てますが、あまり反応は良くないので、器用に操るよりもオートマチックに打つのに向いています。スピン性能はまあまあで、高さと融合して止めるイメージです。 【距離性能】 『MX-1 SPEED METAL』は、クラシックなロフトのアイアンより1.5番手、ランも含めて飛びます。スイープ目に当たるほうが、安定して飛距離が調整できます。 【ロマン派ゴルフ作家語る】 『MX-1 SPEED METAL』は、アドレスビューでヘッドが大きいのがよくわかります。そして、本格的な形状をしてます。一言でいえば、通好みなヘッドです。打ってみるとヘッドが返りづらく、開いて当たりやすい傾向があります。スライスや右へ行くミスに悩んでいる場合は、全く打てない、という可能性もあります。逆に、引っかけや、左に行くミスに悩んでいるゴルファーにはオススメです。 トップ目に当たっても、かなりの浮力があり、良いボールが打てます。ユーティリティのようにスイープに打つのに向いていますが、打ち込んでも気持ち良く機能してくれます。ただ、ヘッドの大きさが抵抗を大きくするのでパワーが必要になります。 『MX-1 SPEED METAL』は、大きなヘッドを上手く使えるコツがわからないと、飛距離、方向共に不安定になってしまいますが、逆に使い方を知っていればバッチリと機能を発揮してくれます。 ヘッドスピードが速くないけれど、本格的な雰囲気が味わえるアイアンが欲しいというゴルファーに『MX-1 SPEED METAL』は向いています。フックボールに悩んでいるゴルファーを助けてくれる要素も多いアイアンです。 最後に、最大のポイントを強調します。『MX-1 SPEED METAL』は、コスパ最高です。この価格で、新品のミズノのアイアンが自分のものになるなんて夢のようです。 オールドゴルファーでも使えます。面白いことに初心者でも使えます。かなりのパワーヒッターでも十分に使えます。『MX-1 SPEED METAL』は、たくさんのゴルファーを助けるアイアンとして、とても良く出来ているのです。気になったゴルファーは、お得に手に入れましょう。 【試打ギアスペック】 『MX-1 SPEED METAL』 ヘッド素材 ステンレススチール(SUS630) ロフト #6/25度、#7/29度、#8/34度、#9/39度、PW/44度 シャフト N.S.PRO 950GH neo (S) 【著者紹介】篠原嗣典 ロマン派ゴルフ作家。1965年東京都文京区生まれ。中学1年でゴルフコースデビューと初デートを経験し、ゴルフと恋愛のために生きると決意する。競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れた青春を過ごし、ゴルフショップバイヤー、広告代理店、市場調査会社を経て、2000年よりキャプテンc-noのペンネームでゴルフエッセイストに。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。ベストスコア「67」、ハンディキャップ「0」 ◇ ◇ ◇ シャフトクロスしてもいい? ヒザを動いちゃダメ? 気になるスイングのポイントが自分に合うかは関連記事「【スイング相性診断】」でチェックしよう!