キティ人気で外国人客爆増…サンリオピューロランド“追われる現場対応”
「アトラクションの中で聞こえてくる日本語はほとんど理解できなかったけど、ハローキティはほんとにかわいい。クロミはアメリカでもすごい人気だから来られてよかった」 【全画像をみる】キティ人気で外国人客爆増…サンリオピューロランド“追われる現場対応” 家族とサンリオピューロランド(以下、ピューロランド)を訪れていたアメリカ国籍の25歳の女性は、興奮した様子で話した。女性は2週間の日本旅行中で、東京には4日滞在し、そのうち1日をピューロランドで過ごすという。 1990年に誕生したピューロランドに今、かつてない変化が訪れている。その変化とは「外国人観光客の急増」だ。 2024年に50周年を迎えた「ハローキティ」など、世界的なキャラクターを生み出したサンリオは、グローバルでのIP(主にキャラクターを使用する権利)戦略の活発化を明確に打ち出しており、海外展開を加速させている。 こうしたサンリオのグローバル戦略に呼応する形で、実際にキャラクターに会える「聖地」として一躍注目を浴びることになったのが、ピューロランドだ。2024年3月期の年間来場者数は約138万人だが、今や来場者の約2割をインバウンド客が占める。 ただ、急激なインバウンド客の増加によって、多言語対応はもちろん、増え続けるインバウンド客によるトラブル対応など、新たな課題を次々に突きつけられている。 激変する現場対応を取材した。
「朝礼」で英会話の練習
「Would you like me to take your picture?(お写真撮りましょうか?)」 10月中旬、ピューロランドのオフィスの一室では、朝8時から英語で会話する社員らの姿があった。 時間をずらして毎日複数回実施しているという朝礼では、スタッフ間のコミュニケーションやパーク内の情報共有、服装など身だしなみのチェックなどに加えて、月に2度ほど英会話の練習も組み込まれている。 この日の朝礼には、ピューロランド内の様々なセクションの担当者らが参加。英会話の練習といっても、座って定型文を暗唱するのではなく、あくまで実際の使用シーンを想定し、参加者同士で会話するという。 「What do you recommend?(オススメはなんですか?)」 「I recommend Meruhen Theater,because you can see many cute character.(私のオススメはメルヘンシアターです。多くのかわいいキャラクターに会えるからです)」 英語でのやり取りを見守っていた指導役を務める社員は「完璧な英語でなくても、目を見て笑顔で、ジェスチャーも交えて接してみてください」と参加者にアドバイスしていた。