「ステーキ9万6800円」でもインバウンドで大繁盛する神戸牛店「確かに私たちの店はバカみたいに高い値段だけど…」外国人観光客がそれでも来る理由
コロナ禍が落ち着いてから訪日外国人が急増し、今年の初め頃に各メディアで大きく取り上げられたインバウンド効果。高価なメニューを爆食いする外国人観光客たちが話題になったが、年末が近づいてきた現在、インバウンド向けビジネスを提供している飲食店はどうなっているのか、東京・浅草で取材した。 【画像】とてつもなく高額なメニュー表
ステーキが9万6800円! 神戸牛に外国人観光客も大喜び
11月下旬、平日だというのに人はあふれかえり、まともに歩けないほどのにぎわいを見せていた。7~8割ほどは外国人観光客という印象で、有名店には長蛇の列もできている。 浅草といえば老舗店が軒を連ねているとも思われがちだが、実は店の入れ替わりが激しい。数年ぶりに浅草に行くと、すっかり店が変わっており、この地で長くビジネスをすることの難しさを実感させられる。 そんな浅草で、2022年12月に1号店を出店してから、わずか1年ちょっとの短期間で8店舗を展開、現在までに浅草だけで9店舗店を構えるのが、神戸牛専門レストラン「神戸牛ダイア」だ。 メニューを見ると、人気ナンバー1と記載されている「ステーキ重」が6380円(税込み、以下同)。「ステーキ寿司 4貫盛り合わせ」が4290円。 “プレミアムステーキ重”の欄に目を移すと、「神戸牛 フィレ」は220gで 5万4560、「神戸牛 シャトーブリアン」は220gで7万6560、「神戸牛 エンペラーブリアン」は220gで 9万6800円など、とてつもない金額が並んでいる。 今年の2月に同店を取材した際は、「インバウンド効果を感じている」とハッキリ答えていたが、あれから約9か月、今年1年をどのように過ごしてきたのだろうか。「神戸牛ダイア」浅草1号店で、東京エリア責任者の東野秀明さんに話を聞いた。 「3月終わりから4月、ゴールデンウィーク前までにかけての期間が、私たちのグループの中では最高益を出しました。浅草、上野など、桜の名所はこの期間、インバウンドでの人気が高かったのだと思います。 それがいったんのピークかとも思ったのですが、夏終わりからまたグングン伸びてきているので、来年にも期待を持っています」(東野秀明さん、以下同) その一方で、9月にはスコンと売り上げが落ちていたという。その原因が「地震」だ。