キティ人気で外国人客爆増…サンリオピューロランド“追われる現場対応”
アジアに加え、欧米中東からも
「アルバイトの採用では、英語能力を重視することはありません。英語よりも笑顔が大事ですから」 ピューロランドの運営部門を担当する中澤俊哉氏はそう話す。 ピューロランドの従業員はアルバイトの割合も多く、年齢や経験も幅広い。そのため接客する従業員全体の英語力を上げることは簡単ではない。加えてインバウンド客の増加によって、英語が通じない外国人の来場者も増えており、英語だけでは対応できないケースも増えている。 ピューロランドでは、館内表示やウェブサイトの多言語化を進めている。現在は英語、繁体字、簡体字、韓国語に対応しているが、来場者を国・地域でみると、中国、台湾、香港、韓国、タイやシンガポールなどのアジア圏に加え、アメリカやヨーロッパ、中東からも来館者が増えている。 「中国の旧正月の時期には中国人観光客が増えるので、一時期は、中国語講座を実施したこともあった。ただ現在は国籍が多様化していて、どの言語まで対応が必要なのか、日々変化していく状況に応じて判断を迫られている」(中澤氏)
多言語表記に加え翻訳デバイスも活用
施設内の表示の多言語化は進んでいるが、「コンテンツ面」での多言語化は一筋縄ではいかないという。 ピューロランドで開催されるショーやパレード、乗り物などのアトラクションでの会話などは、現状、日本語のみで展開されている。 以前は一部のショーなどで、舞台の横に液晶で翻訳を流したり、イヤホンで同時通訳を流したりしたこともあったものの、「ショーのノイズになる」という声もあり現在、同時通訳は行われていない。 「私達としてはこれまで以上にインバウンドのお客様にも来てほしいし、多言語対応をもっと強化したい。ただどこまでやるべきか、状況を見ながら進めていくしかない」(中澤氏) またクレーム対応などのトラブル時には特に高い言語能力が求められることもあるため、多言語に翻訳できるデバイスを40台以上導入しているという。
横山耕太郎