「ワイヤレスヘッドホンは個性として主張する時代になったのか?」:メーカーさんいらっしゃい!
国によってヘッドホンに求められるものが違う?
──最近のヘッドホンではノイキャンの性能が重視される傾向にありますが、ノイキャンをどのように捉えていますか? 中西さん(ソニー):「音楽に没入するため」「音をよく聴くため」に開発した技術だと捉えています。 舘さん(Bowers & Wilkins):ワイヤレスヘッドホンはガジェットとして扱われる傾向もありますが、我々としてはオーディオ機器であり「持ち運べるスピーカー」だと思っています。Bowers & Wilkinsの製品に関して「ノイキャンが強くない」と言われることもありますが、ノイキャンは仕組み的にどうしても音質に影響を与えてしまうため、高音質を維持できるギリギリの強さのノイズキャンセリングを採用しています。 ──他のデジタルテクノロジーとしては、コーデックについてはどう考えていますか? 塚本さん(JBL):実はコーデックにこだわるのは日本独特の文化なんですよ。 舘さん(Bowers & Wilkins):そうですよね。他の地域では「aptXとか何で要るの?」と言われます。 中西さん(ソニー):海外の方はあまりスペックを気にしない傾向にありますよね。 大房さん(Bang & Olufsen):量販店にもその傾向はあって、日本では店頭表示用に細かいスペックの提示を求められますよね。「片耳で使えるかどうか」なんて項目もあります。 中西さん(ソニー):それに対して、欧米の店舗ではスペックよりも環境対応した製品かどうかが気にされています。 國分さん(オーディオテクニカ):アジア圏ではスペックが重視される傾向にあって、特に日本や中国はヘッドホンマニアの人口が多い印象がありますね。スピーカーが重視される海外とは住宅事情が違うので、日本は外でも良い音を楽しみたい人が多いのではないかと思います。 中西さん(ソニー):スペックが良いものの方が、音が良くなる傾向はありますが、必ずしも音のフィーリングとリンクされるわけではないので、最終的にはお客さんのための判断材料という感じはありますね。