「ワイヤレスヘッドホンは個性として主張する時代になったのか?」:メーカーさんいらっしゃい!
ヘッドホンの流行はカラバリ。色はどうやって決めている?
──これまでのヘッドホンは黒が中心でしたが、最近はカラバリが増えていますよね。ファッションの世界では流行色というものがありますが、ヘッドホンの色はどのように決めているのでしょうか? 國分さん(オーディオテクニカ):身につけるアイテムなので、使う人に違和感を与えず毎日使えるもの、ここ数年のモデルは服や肌になじみやすい色が多いと思います。ヘッドホンは多くのファッションアイテムと違ってシーズンという概念がないので、ファッションよりもロングタームで社会の変化を捉えるように心がけています。 舘さん(Bowers & Wilkins):Bowers & Wilkinsはハイエンドなオーディオメーカーですので、「ラグジュアリー」であることを大事にしています。そしてオーディオテクニカさん同様、時代のムードも意識しています。例えば、2023年発売のモデルでは、事前に2023年がどんな世相になりそうかを調査してカラーバリエーションに落としています。すると、結果的にアパレルのカラーに合うものにもなってきます。 塚本さん(JBL):JBLの製品はカラバリが豊富なのも特徴の一つです。海外にいるデザインチームは、まずアパレルのカラーリングを予想していますが、やはりヘッドホンはファッションよりも製品のライフスパンが長いので、長く使えるよう努力して色を設計しています。最近では若い人たちがニュアンスカラーを好む傾向にあると思います。 國分さん(オーディオテクニカ):かつてのホワイトにあたる色が、今のベージュっぽいカラーになってきている印象はありますね。 大房さん(Bang & Olufsen):私たちはそこまで最初のカラバリは多くなくて、基本カラーはブラックとゴールドトーン、そしてシルバー系。そこに新しい色が入ってくる感じですね。基本的には世界的なファッショントレンドを押さえつつ、アートやカルチャー、そしてインテリアも意識しています。デンマークのメーカーですので、家具を重視する北欧っぽいニュアンスはあります。 中西さん(ソニー):ここ2~3年で女性ユーザーが増えたこともあり、豊富なカラバリが用意されている製品の比率も増えていますね。ソニー全体の製品ラインナップから見ると、ヘッドホンは数少ない「身につける商品」という特徴があるので、ファッションとのコーディネートは重視しています。