「進行を500日ほど遅らせる」 難病ALS待望の新薬「ロゼバラミン」医師が乗り越えた″高い壁” 一度申請を取り消された薬が承認された背景
長いトンネルを経て、ロゼバラミンが陽の目を見るにいたった、この治験のことは、先日から医師仲間の間でもしばしば話題になった。 専門家の臨床的な勘からくる「信念」は、本当に得難い、素晴らしいものであると私は思う。また、最近持てはやされるAIに決して代替されない、真の意味で医師の“聖域”の1つなのではないかと思う。 一般的に、新薬は保険適用に必要な薬価収載をした後の発売となり、薬価収載は「承認から原則60日以内、遅くとも90日以内」というルールがある。エーザイからは明確な時期を聞けなかったが、順調にいけばロゼバラミンは11月~12月ぐらいには市場に出て、患者さんが投与を受けることができると思われる。素晴らしい話だ。
一方で、これでALSが治癒できるわけではない。戦いはこれからも続くことを忘れてはならない。
奥 真也 :医療未来学者・医師