元日本代表・渡邉知晃は、なぜ大学フットサル部の監督を選んだのか?全Fリーガーに読んでほしいセカンドキャリア論【インタビュー】
監督として作陽学園高校を率いて全国へ
──現在は高校のサッカー部にも教えに行っているんですか? そうです。これまで、作陽学園高校はフットサルにも取り組んでいる学校として知られていましたが、今の作陽学園高校の選手たちはフットサルに触れてこなかった年代です。コロナや学校の移転などが重なり、サッカー部の練習をやることで精一杯でもあったので、去年も全日本U-18フットサル選手権大会には出場していません。ただ、今年は野村先生からも「選手権に出ましょう」と言われて準備を始め、出場するメンバーに5月から教えてきました。 ──そこから地域大会を勝ち上がって全国に出てくるあたり、作陽学園高校のポテンシャルの高さを感じますよね。 実は、僕自身は、岡山県大会と中国地域大会の前にそれぞれ1、2回しか指導できていません。時間がなかったので、とにかく紅白戦をしながら最低限のことを伝えてきました。そんな状況だったので、フットサルチームを相手にした時にどのくらいやれるのかわかりませんでした。そんななか、野村先生が中国リーグ1部に所属するチームと練習試合を組んでくれて、そこで「相当、能力が高い」とびっくりしました。彼らが大人のフットサルチームと対戦した時に想像以上に戦えている姿を見て、これは期待できると思いました。 ──技術的にも、フィジカル的にも優れている? そうですね。そもそも、一人のフットボーラーとして能力の高い選手が多い。ただし、ディフェンスの仕方がサッカーとフットサルは違うので、「サッカーみたいなディフェンスをするとやられる」と、何度も伝えて修正しました。そこのセオリーさえわかれば、1対1で負けないんですよ。毎日サッカーのきついトレーニングをこなしているので、守備の撤退も早いですし、強度も落ちない。岡山県大会決勝も、中国地域大会決勝も10点ゲームで優勝しました。少し教えただけですが、中国地域までは圧倒的な実力差で勝ち上がってきています。 ──全国でもその実力は通用するのでしょうか? やってみないとわからない部分はあります。ただ、生徒たちには「優勝しか目指していない」と話して取り組んできました。予選は県大会も地域大会も、僕自身が仕事のために帯同できなかったので、全国で初めてベンチに座ります。彼らが全国のフットサル専門チーム、常連校などを相手にどこまで勝ち上がっていけるのかは、僕としてもすごく楽しみにしています。