5月のセ・リーグ投手月間MVPは?広島勢かノーヒッター戸郷か、それとも防御率0.62の右腕か
プロ野球の5月度「大樹生命月間MVP賞」が11日に発表される。今回はセ・リーグ投手部門の有力候補を並べつつ、受賞選手を予想してみたい。 ■有力候補の成績を並べて比較 まずは、有力候補の成績を並べてみよう。 ・髙橋宏斗(中日):4試合2勝0敗 防御率0.62 ・床田寛樹(広島):4試合4勝0敗 防御率0.94 ・戸郷翔征(巨人):5試合4勝1敗 防御率1.60 ・島内颯太郎(広島):13試合(先発0)1勝1敗11ホールド 防御率0.73 ・栗林良吏(広島):11試合(先発0)0勝0敗9セーブ2ホールド 防御率0.00 ■驚異の「HQS率100%」 先発投手からは3人を有力候補とした。 中日の髙橋宏はリーグトップの月間防御率0.62を記録。4度の先発機会で全てQS(6回自責点3以下)、うち3度はHQS(7回自責点2以下)と抜群の内容を見せた。5月5日のヤクルト戦(神宮)では9回に自らの拙守で3失点を喫したものの、8回までは10奪三振無失点の快投。以降も週頭の火曜ローテで投げ続け、試合を作っている。 広島の床田は月間4戦4勝、防御率0点台と文句のない数字。全ての登板機会で7回以上を投げ、自責点は1以下。QS率だけでなくHQS率も「100%」と内容も申し分ない。床田といえば、村上頌樹(阪神)との投げ合いが話題で、この月は7日の甲子園、21日のマツダスタジアムでマッチアップ。ともに勝利投手に輝いている。 巨人の戸郷は開幕から続く金曜ローテで月間5試合に先発。4勝をマークした。何といっても24日の阪神戦(甲子園)で自身初のノーヒットノーランを達成。甲子園で巨人の選手がノーノーを達成したのは沢村栄治以来、88年ぶりの快挙だった。続く31日の西武戦(ベルーナD)でも15人連続アウトを奪うなど7回1失点の好投。交流戦に入っても状態の良さが目立つ。 ■広島のリリーフ陣が好内容 3・4月度はクローザーのR・マルティネス(中日)が受賞した、セ・リーグ投手部門。今月も広島の2人のリリーフ投手が特筆すべき内容を見せている。 セットアッパーの島内は月間11ホールドを記録。五十嵐亮太(当時ソフトバンク)が持つ月間記録(2014年7月、12ホールド)にはあと一歩届かなかったものの、5月1日の阪神戦から17日の巨人戦にかけて7試合連続で無安打無失点の快投。31日のソフトバンク戦(みずほPayPay)で救援失敗するまで無失点記録が続いた。 クローザーの栗林は11試合に登板し9セーブ2ホールド、防御率0.00と完璧な投球を見せた。ハイライトは5月26日のDeNA戦(横浜スタジアム)、史上36人目の通算100セーブを達成。178試合目の達成は馬原孝浩氏(元ソフトバンクほか)に並ぶ、日本人投手最速タイのスピード記録である。 [文:尾張はじめ]