話しかけても無視される...相手を怒らせたときに「一番最初にすべきこと」
「イエス・バット話法」では「謝る気はない」と思われる
コップ理論を思い浮かべながら「ごめんなさい」を重ねていくとき、最初はなかなか難しいかもしれませんが、言い訳や反論はせずに、相手の話をただ聞くことに徹してみてください。 あまり腕のよろしくない営業担当者がよく使う手法に「イエス・バット話法」があります。相手の意見をいったん「その通りです(Yes)」と受け入れて、そのあとに「でも(But)」と続けて自分の意見を話すテクニックです。 たとえば、「たしかに、お客様のおっしゃる通りです。でも、この商品には、こういう利点もありまして......」といったものですが、こんなふうに言われると、お客さんの側からは「結局、売りこみか」と感じるものです。つまり、「でも」以降の後半の言葉ばかりが目立ってしまうのです。 「ごめんなさい」を伝えるときも同じです。「ごめんね。でも、私だって......」「ごめんなさい。でも、あのときはしょうがなくて......」と言ってしまうと、最初の「ごめんなさい」はかき消され、相手には「結局、この人に謝る気はないな」という印象が強く残ってしまいます。「ごめんなさい」と「でも」「だって」「しょうがなかった」は、相性が悪いと心得ましょう。 結局、言い訳や反論はせずに「ごめんなさい」をただ繰り返していくことが、相手に心を開いてもらえるいちばんの近道です。
林健太郎(合同会社ナンバーツーエグゼクティブ・コーチ)