話しかけても無視される...相手を怒らせたときに「一番最初にすべきこと」
雑念に負けると水位は一気に0パーセントに
「ごめんなさい」を何度も繰り返し伝えるときに意識してほしいのは、相手のコップに入れている水は「炭酸水」だということです。 炭酸水は、そそぐとシュワシュワ泡が立ちますよね。その泡がおさまって静かになるのを待ってから、次の「ごめんなさい」をそそぐイメージを持ってみてください。 つまり、相手があなたの言葉を受けとる物理的な時間をとるということです。その時間なしに炭酸水をそそぎつづけると、水ではなく、泡がコップからあふれてしまいます。それでは本末転倒です。ちなみに、回数を重ねるほど、1回にそそげる水の量は減っていきます。 どんなことも、そうですよね。最初のインパクトがいちばん大きくて、何度も繰り返すうちに印象は薄れていくものです。 1回目でコップの30パーセントまで入った水は、2回目で50パーセント、3回目になると60パーセント......と増え方が鈍ります。ですが、水位は少しずつ確実に上がっているので、くじけずに水をそそぎつづけましょう。 相手は内心、あなたからの「ごめんなさい」を求めています。コップに「ごめんなさい」がなみなみとそそがれたときに、はじめて相手は心を開いてくれるのです。 このコップ理論を知っておくと、自分の雑念にとらわれずにすみます。「こっちばかり謝るなんて腹が立つ!」「どうして、こんなに相手のご機嫌をとらなきゃいけないの!?」といった思いに振りまわされなくなるのです。 その雑念に負けて、ついうっかり「だから何回も謝ってるじゃん!」「さっきから『ごめん』って何度も言ってるよね」などと口走ると、残念ながらコップの水位は一気に0パーセントに戻ってしまいます。 反論するのは、さらなる悪手です。「いつまで怒ってるの⁉」「これくらいのことでしょうもない!」「そっちだって悪いよね!」などと言ってしまうのは、コップの底に穴を開けるようなものです。 とにかく、コップが少しずつ水で満たされていく様子をイメージしながら、淡々と水をそそぐことに集中します。