オーバーウルフの広告戦略。 ゲーム内広告 で業界最大級のアドネットワークに成長
ゲーム内広告の新たな可能性
ゲーム内広告に対するオーバーウルフのアプローチは、マーケターがこの分野に自信を持って参入することを妨げてきた長引く問題の解決に役立つだろう。 ゲーム開発者は、プレミアムなゲームタイトル内に広告インベントリーを確保する方法を模索しているが、オーバーウルフのゲーム改造に重点を置く方法なら、ブランドや広告主は、パブリッシャーと直接取引することなく、人気ゲームに入り込むことができる。また、オーバーウルフは広告インベントリーを直接所有しているため、ゲームコミュニティの「毒気」を懸念するマーケターにとって、ブランドセーフティに関わる潜在的な問題を回避できる。 オーバーウルフが所有・運営するプロパティのポートフォリオは、Twitch元幹部のチャド・デ・ルーカ氏が12月5日、オーバーウルフへの移籍を決断させた要因のひとつだ。 「オーバーウルフでは、プレイ時間中にゲーマーに直接アプローチすることがすべてだ」とデ・ルーカ氏は話す。「インベントリーはすべて、オーバーウルフのアプリライブラリとニトロのNitroネットワーク内に保管されている。つまり、すべてが所有・管理されている」。 デ・ルーカ氏は以前、Twitchのオリジナルプロパティ部門である「Twitch Properties」でパートナーシップ担当責任者を5年間務めていたが、オーバーウルフのサービスはTwitch広告を補完するもので、積極的にゲームプレイを続けるゲーマーにリーチすることに重点を置いている、とDIGIDAYに語った。 「オーバーウルフはTwitchのようなサイトにとっての補完購入の場だと考えている」とデ・ルーカ氏は言う。「我々のオーディエンスの85%は重複していないので、ゲームプレイ中やそれ以外にも、Twitchにはいない、とてつもなくユニークなオーディエンスにリーチできる」。 オーバーウルフが規模を拡大しようとするときの潜在的な課題は、コムスコアのゲームネットワークのトップ10にランクインしているほかのプラットフォーム(ロブロックス、アクティビジョン・ブリザード、エピックゲームズなど)に比べて知名度が低いことだ。オーバーウルフは、デ・ルーカ氏のような経験豊富な人材を採用することで、ブランドのマーケターのあいだでの評判をさらに高めようとしているのだろう。 エージェンシーのゲイル(Gale)でエマージング・コネクション部門担当ディレクターを務めるマックス・ベース氏は次のように述べている。「オーバーウルフは、彼らのブランドをもっと世に広める手助けをしてくれるやり手のセールス担当者を迎え入れたばかりだ。オーバーウルフの既存の営業チームの連絡先は、すでに私の受信トレイに入っている。彼らは私の顧客であるH&Rブロック(H&R Block)に連絡をした。顧客は彼らについて私に尋ねてきて、彼らは我々のメディアチームと交渉に入っている。彼らは自分たちの製品を売り込むのにいい仕事をしていると思う」。 [原文:How gaming firm Overwolf quietly became one of the major players in gaming advertising] Alexander Lee(翻訳:藤原聡美/ガリレオ、編集:佐藤葉)
編集部