習近平の「経済無策」と「国民監視」で、いよいよ「日本叩き」の動きが…!いま警戒すべき「リーマンショック」と「福島処理水」のヤバすぎる関係
中国国民の「怒り」の矛先
習近平国家主席は5月23日に山東省で開かれた座談会で、「不動産や雇用の分野で改革の突破口が必要だ」と強調した。国家安全保障を最優先としてきた習氏だったが、改革開放以来、最悪の経済危機を前に方針転換を余儀なくされている。 【写真】これはヤバすぎる…!中国で「100年に一度の大洪水」のようす 前編「習近平に「給料半分カット」された国民が爆発寸前…! 中国「経済無策」でよみがえる、「パナソニック」を襲った「チャイナリスク」の記憶」」でもお伝えしたように、人口14億人の中国は過去40年間、所得と富の比類なき向上を享受してきたが、習氏は前任者が経験しなかった難題に直面している。 中国は、ゼロ・コロナ政策の後遺症や不動産バブルの崩壊、少子高齢化によって、成長エンジンを失った。中国政府は経済を立て直すための方策を見つけきれずにいる。 そのツケを払わされているのは国民だ。 中国政府にとって致命的なのは、「豊かな生活を提供する代わりに共産党が国を統治する」という国民との社会契約が失効しつつあることだ。習氏への不満は政治エリートから中間層、そして社会全体に広がりつつある。 ついに、「中国社会は見かけほど安定しておらず、明日に何らかの異変が起きてもおかしくない」との声が聞こえてくるようになった。 2008年のリーマンショック以降の中国も、今と似たような不況に陥った。
よみがえる「外国企業の排斥」
2012年、パナソニック北京工場の日本人トップがリストラに抗議する従業員に取り囲まれ、4時間軟禁されるという事案が発生した。幸い、命に別状はなかったが、同様な状態に置かれたインド人経営者が命を落とすという悲しい出来事が起きている。 だが、今は12年前よりも事態が深刻だと言わざるを得ない。 かつての中国経済は、リーマンショックのような金融危機が起きても政府による大規模刺激策によって回復が早かったが、今回はトンネルの出口がまったく見えてこない。 筆者が危惧しているのは、昨年8月の福島原子力発電所の処理水の海洋放出を契機に中国で「日本叩き」が蔓延し、凄惨さを極めていることだ。