中国、全人代常務委が地方政府の債務限度引き上げを審議 閉会日に財政出動の規模判明か
【上海=三塚聖平】中国の立法機関、全国人民代表大会(全人代)の常務委員会の会議が4日、北京で始まった。中国国営新華社通信によると、地方政府の債務限度額の引き上げに関する議案を審議した。中国政府は財政政策を積極化させる方針を示しており、財政出動の規模が8日の閉会後に明らかになる見通し。 藍仏安財政相が議案の説明を行った。問題化している地方政府の隠れ債務に対応する。 ロイター通信は10月下旬、全人代常務委が今後数年間で国債など10兆元(約215兆円)超の追加発行の承認を検討していると報じた。米大統領選でトランプ前大統領が勝利した場合には財政出動をさらに拡大することが予想されるとした。 主に地方政府の簿外債務リスクへの対応に充てられるという。そのため市場関係者の一部には、景気対策の効果は限定的だとの見方がある。 今回の全人代常務委の会議では、「学前教育法案」や「エネルギー法案」なども審議している。学前教育法案は、3歳から小学校入学前の就学前教育について定めている。中国メディアなどによると、就学前教育でも中国共産党の指導を堅持することを掲げ、中華民族共同体意識を育成することなどを求めている。就学前教育を保障する仕組みを国が整備し、家庭が保育や教育にかけるコストを軽減することを明記しているという。 エネルギー法案は、エネルギー安全保障の向上に向けた態勢を整えることを柱としている。