回収デブリからウラン検出 東電、来春2回目着手へ 福島第1原発
東京電力福島第1原発事故で溶け落ちた2号機の核燃料(デブリ)の分析を進めている日本原子力研究開発機構(JAEA)は26日、試験的取り出しで回収したデブリから核燃料由来のウランが検出されたと発表した。 「典型的なデブリの一部が取得できた」としている。 一方、東電は同日、2回目の試験的取り出し作業について、早ければ来年3月ごろ着手する方針だと発表した。1回目と同じ釣りざお状の回収装置を使用するが、デブリをつかむ先端部の改良などを施すという。 1回目の試験的取り出しは今年9月に開始され、11月7日に完了。同12日に茨城県のJAEAの研究施設に運ばれ、電子顕微鏡などで分析していた。 JAEAによると、デブリの大きさは縦約9ミリ、横約7ミリで、重さは0.693グラム。放射線量は表面から1~2センチ離れた距離で毎時8ミリシーベルトだった。ウランの他に、鉄や核燃料を覆う管に含まれるジルコニウムなども検出され、内部に空洞が確認された。 今後は半年から1年程度かけて他の研究施設でも回収デブリの詳細な組成などを分析し、本格的な取り出しに向けた研究に役立てる。結晶構造などを詳しく調べるために大型放射光施設「スプリング8」(兵庫県)でも解析する。