智弁和歌山の渡辺 颯人投手

2024年も、残りあと1カ月を切った。今年の高校野球界を各都道府県別に振り返り、1年間の球児の熱い戦いを思い出してみたい。 2024年の和歌山県大会の結果 和歌山県は智弁和歌山の「1人勝ち」で1年を終えた。春、夏、秋とすべて優勝。県内の公式戦は18戦無敗だった。 春は5試合でわずか2失点と、抜群の投手力を誇り、近畿大会でも準優勝を収めた。夏も準決勝まで無失点。決勝で2失点したが自責点ではなかったため、チーム防御率0.00で優勝したことになる。渡辺 颯人投手（2年）を中心にした盤石な投手陣が強みだった。 春の近畿大会決勝ではサヨナラ負けしたものの、京都国際（京都）とは互角の勝負を演じ、夏甲子園も優勝候補として挑んだが、結果は初戦敗退。霞ケ浦（茨城）の粘りの前に、延長11回タイブレークの末に4対5で敗れた。終盤に長打で追いつくなど、自慢の猛打を発揮する場面はあったが、あと1歩及ばなかった。 秋は秋季2次予選（準々決勝）からの3試合で無失点。渡辺を中心にした投手陣の強さが増し、近畿大会では準優勝して、センバツ切符をほぼ確実にしている。春も秋も近畿大会で準優勝した強さを、来年のセンバツで生かして頂点を狙う。 昨年秋に快進撃を見せた耐久と、21世紀枠で出場した田辺は、ともにセンバツで初戦敗退。それ以降、和歌山県内で頂点を奪うことはできなかった。 来年は智弁和歌山のライバルでもある市和歌山に加え、秋準優勝だった和歌山東の巻き返しにも期待したい。