体操・宮川紗江選手が会見(全文1)速見コーチと五輪へ再スタート切りたい
コーチの指導、厳しさの中にも楽しさや優しさがあった
宮川:本日はお集まりいただきありがとうございます。まず初めに速見コーチに対する暴力行為において関係者の皆さま、応援してくださっている皆さまに対し、ご心配とご迷惑を掛けてしまったことを深くおわび申し上げます。そして現在、NTCで世界選手権へ向けて代表合宿を行っているチームメートに対し、このような事態となってしまいご心配とご迷惑を掛けてしまったことを申し訳なく思っています。今現在さまざまな報道がなされている中で、私自身の言葉でしっかりと全ての真実を語るために、記者会見の場を設けていただき、今日この場に来ました。何日も自分の気持ちと向き合って考えてきました。うそ偽りなく語ります。 まず初めに、私なりに日本体操協会から無期限の登録抹消処分を受けた速見コーチの暴力行為について過去を振り返り考えました。私は今まで8年以上にわたり速見コーチに指導していただきました。速見コーチの指導には厳しさの中にも人の何倍もの楽しさや優しさがあり、私は共に東京オリンピックを目指し、その中でも金メダルを目標として頑張ってきました。リオオリンピックでは悔いの残る仕上がりだったので、2020年の次こそはという気持ちで頑張っていました。 基本的に速見コーチの指導は、紗江はいつか必ず素晴らしい選手になれるが口癖で、そのために何が必要なのかを具体的に分かりやすく説明してくれます。速見コーチの指導には今日も早く練習に行きたいと思わせてくれる要素がたくさん含まれています。だから私は体操が好きで毎日楽しいです。そんな中でずっと一緒に練習をしていると当然うまくいかない時期もありました。技の途中で力を抜いてしまうことや、気持ちの部分で練習を投げ出してしまい、大けがや命に関わるような場面では特に厳しく指導されました。私の記憶の限りでは暴力とされる行為で指導を受けたのはそういう場面です。そのときはそれぐらい怒られても仕方のないことだと理解していました。本気で伝えたいという思いが行き過ぎた指導になったと思うのですが、速見コーチが私に対して暴力をしてしまったことは決して許されることではなかったのだと今は理解しています。そして今後も暴力行為を許すつもりはありません。