BiSHは自分の青春だった――解散まで残り半年、涙ながらに語る「決断の日」、そして「これから」
2023年6月29日の東京ドーム公演をもって解散するBiSH。2015年の結成から6年後の2021年には「第72回NHK紅白歌合戦」に出演するまでに昇りつめた6人組だ。マネージャーで所属事務所・WACKの代表取締役でもある渡辺淳之介は「一番カッコいいときに散る」という目標を体現すべく、BiSHに解散を提案。最終判断はメンバーに委ねられたという。解散まで残り半年、メンバーたちの決断の過程、そして解散に向かう日々について、メンバーが心中を吐露した。(撮影:星野耕作/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
明日起きたら「やっぱ続けようぜ」って、みんな言わないかな
歓喜からの静寂だった。2022年12月22日、国立代々木競技場第一体育館のライブでセントチヒロ・チッチは「私たちBiSHが夢だった東京ドームで……6月29日に解散します」と冷静に、しかし重い口調で告げた。2016年のメジャーデビュー発表時に掲げた、東京ドームでのライブという目標の実現と同時に発表された「BiSH最後の日」。6人で舞台に上がるのは、わずか半年しか残されていない。 解散について聞くと、セントチヒロ・チッチの目は、みるみる涙であふれていった。 チッチ「明日起きたら『やっぱ続けようぜ』って、みんな言わないかなと思うときはあります」 涙を流しながら言葉を続ける。 チッチ「受け入れたかって言われたら、別に100パー受け入れてるわけじゃないんだよね、私は。でも、別に嫌だとかじゃなくて前向きだし、みんなの言ってることも理解してるうえで、でも続けたいなっていう気持ちはあったから、そこを嘘つく必要はないかな」
今も続けたい気持ちが心のどこかには残っているかとチッチに聞くと、「私はずっと思ってる」という言葉と同時に涙が再びこぼれた。アイナ・ジ・エンドは、渡辺から解散という言葉が出たとき、その場で泣いてしまったという。 アイナ「私はマスクしてたんですけど、マスクの中がもう海って感じ(笑)。めっちゃ泣いてしまって、びしょびしょ。『新生クソアイドル』として始まったので、アイドルをやらせてもらったんだと最初思ってたし、もう長いことやってるから、終わりが来ることはわかってたんです。だから解散って自分たちで決めたときも、すごく難しいけど腹をくくるっていうことを、人生初めてしなきゃいけないなって思いました」