専業主婦だけど、友人に「iDeCo」をすすめられた! 働いていないので「所得控除」などのメリットもないはずですが、専業主婦でも始めたほうがいいのでしょうか?
非課税で資産運用をして将来の老後資金を効率的に準備できる制度として注目される「iDeCo(イデコ)」。専業主婦でもさまざまなメリットがありますが、専業主婦(夫)の場合は一部のメリットを活用できない点に注意が必要です。 本記事では専業主婦(夫)では活用できないiDeCoの恩恵の詳細と、専業主婦でも受けられるメリットについて解説します。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
専業主婦でもiDeCoを始められるが所得控除の恩恵は受けられない
iDeCoは「個人型確定拠出年金」のことで、公的年金にプラスで給付を受けられる私的年金制度の一種です。 毎月一定の掛金を支払うことで、最短で60歳以降に掛金と運用益の合計額を受け取れます。受け取る際は「年金」「一時金」「年金と一時金の併用」のいずれかの方法で受け取ることができます。 会社員や個人事業主だけでなく、専業主婦でも加入できますが、お金を稼いでいない専業主婦の場合には一部活用できないメリットがあります。 それが「掛金の所得控除」です。 iDeCoでは積立時に支払った掛金の全額が所得控除になり、課税所得を減らすことができます。ただし、仕事をしていない専業主婦は所得税や住民税を負担していないため、所得控除の恩恵を受けることはできません。
専業主婦(夫)がiDeCoを始めることで得られるメリット
専業主婦(夫)がiDeCoを始めても掛け金の所得控除という恩恵はありませんが、以下のようなメリットを得ることは可能です。 ■運用益が非課税になる iDeCoで運用している投資信託や定期預金、保険といった商品で利益が出た場合、運用期間中は全額が非課税になります。通常は利益に対して20.315%が課税されますが、本来は税金として納める分まで再投資されるので、効率的な資産形成が可能です。 ■受取時にも税制メリットがある iDeCoは年金制度であるため、受取時に課税対象になります。しかし、年金での受け取りなら公的年金等控除、一時金での受け取りなら退職所得控除を利用することで納める税金が安くなります。 例えば年金受け取りを選択した場合、合計の収入額が65歳未満なら60万円以下、65歳以上なら110万円以下でのみ、所得が0円になって所得税や住民税はかかりません。 一方の退職所得は「(収入-退職所得控除額)×1/2=退職所得」という計算式で所得が計算されます。 加入者期間が20年以下であれば「40万円×加入者期間(80万円未満の場合は80万円)」、20年超であれば「800万円+70万円×(加入者期間-20年)」と控除額が適用されるため、20年を超える期間にわたって加入することで課税額を安く抑えられます。 ■今後パート社員などで働くなら所得控除の恩恵は受けられる 今は仕事をしていなくても、近い将来にパート社員やアルバイトなどで働くケースもあるでしょう。 パート社員の人は年収103万円を超えると所得税が発生しますが、iDeCoに投資していれば年収103万円を超えた場合でも所得税を抑えることができます。