「へなちょこ」プロレスラーだった真白優希が初告白 ベルト初戴冠の裏で起きていた異変
真白は9月に記者会見を開き、突如、年内で引退することを発表した。記者から今後の活動について尋ねられ、「世界に旅に出たいです」と答えた。しかし、本当の引退理由は違った。「初めて言うんですけど......精神を病んでしまって」と、躊躇いがちに言葉を紡いだ。 「本当の自分と真白優希というレスラーの間に、溝ができてしまったんです。本当の自分は内気な性格だし、人前に出るのが苦手。SNSも得意じゃない。でも真白優希は元気で明るい、摩訶不思議なキャラクター。表向きは『アイスリボンを引っ張っていきたい』と言いながら、どんどん本当の自分とかけ離れていって、覚悟がないままリングに上がっていた時期もありました。『このままだとケガをしてしまうし、精神的にも潰れてしまうな』と思いました」 ボーっとするし、夜、眠れない。精神科に通い、抗うつ剤を服用した。しかし、薬に頼りながらリングに上がるのがつらくなり、引退を決めた。もう戻るつもりはなかった。 (後編:給料未払いでも団体に恩返し 「お客さんを笑顔にできるチャンピオンに」>>) 【プロフィール】真白優希(ましろ・ゆうき) 2001年4月18日、兵庫県生まれ。高校3年間、アイスリボンのプロレスサークルに通い、卒業後に入門。2020年8月9日、横浜文化体育館大会にて4対4のイリミネーションマッチでデビュー。2022年1月16日、トライアングルリボン王座を戴冠。同年12月31日、引退するも、2024年1月27日、後楽園ホール大会にて現役復帰。10月19日、YuuRIを破り、ICE×∞王座を戴冠。給料未払いを契機に、10月末で所属契約を解除し、11月からフリー。153cm、47kg。X:@mashiro_yuki89
尾崎ムギ子●取材・文 text by Ozaki Mugiko