「へなちょこ」プロレスラーだった真白優希が初告白 ベルト初戴冠の裏で起きていた異変
■『今こそ女子プロレス!』vol.24 真白優希 前編 「どうして自分を責めるんですか? 他人がちゃんと必要な時に責めてくれるんだから、いいじゃないですか」 【写真】女子プロレスラー 真白優希フォトギャラリー ノーベル物理学賞を受賞したアルベルト・アインシュタインの言葉である。 また、芸術家の岡本太郎はこうも言っている。 「自分自身を責めることで慰め、ごまかしている人が意外に多いんだよ。そういうのは甘えだ。みじめな根性だと思うね」 自分を責めることは、天才たちにとって愚かな行為なのだろう。しかし、アインシュタインも岡本太郎も、プロレスラー真白優希の人生を知ったら、それを「愚か」と言えるだろうか。いつもオドオドしていて、謙遜ばかりしている、「私なんて」が口癖の、彼女の人生を知ってもなお、「愚か」と言えるだろうか。 これは「へなちょこ真白」と呼ばれた彼女が、ひとりで生きていく"強さ"を身につけるまでの物語である。 【いじめに遭うも、「負けたくない」と生徒会に立候補】 真白は2001年、兵庫県に生まれた。両親、妹、2人の弟の6人家族。家はいつも賑やかだったという。父は自衛官で、厳しく育てられた。 内気で、大人しい子どもだった。自分の意見を言えず、人と目を合わせるのも苦手。人前に出ると声が裏返るため、なるべく目立たないように生きていた。 将来の夢は看護師。医療系ドラマが大好きで、人を救える職業に就きたいと思った。 中学に入ると性格は明るくなった。走ることが大好きで、陸上部に入部。友だちも多く、楽しい学校生活を送っていたものの、2年生の時、いじめに遭う。クラスのリーダー格の女子と同じグループにいたが、悪口を言い合う関係が嫌でグループを抜けると、毎日のように悪口を言われたり、LINEで攻撃されたりした。 しかし「いじめに負けたくない」と思った真白は、生徒会に立候補する。演説を行ない、見事、書記に選ばれた。その後もいじめは続いたが、泰然自若としていたら真白の味方が増え、徐々にいじめはなくなった。