市民の台所に活気戻る 新鮮な魚介や青果、2市場で初競り【宇部】
二十四節気の一つで、寒の入りとなる「小寒」の5日、宇部市地方卸売市場(魚市場、港町2丁目)と市中央卸売市場(青果市場、西平原4丁目)で、初競りが行われた。場内には競り人の威勢の良い声が響き渡り、市民の台所に活気が戻った。
【地方卸売市場】
宇部沖を中心とした地物のサワラ、小型ブリのメジ、スズキ、クルマエビ、ナマコなどが入ったトロ箱が並べられた。午前5時に競り開始のベルが鳴ると、競り人の独特の掛け声に買い受け人が指を動かして金額を提示し、次々と競り落としていった。この日は日曜とあって下関や萩の市場が休みで、宇部沖の底引き網漁も土曜は行われないため、全体的な入荷量は例年の初競りと比べて少なかった。 宇部魚市場の寺戸康登営業部長は「漁業者の高齢化もあり、出荷量は減少傾向だが、販路を拡大して需要を高めていきたい」と話した。
【中央卸売市場】
午前6時から行われた競り前の式典では、篠﨑圭二市長が「生活に欠かせない野菜や果物は皆さんに支えてもらっている。県内唯一の中央市場として、引き続き安定供給に努めてほしい」とあいさつした。同市場協会の大島三晴会長は「昨年はトラック運転手の働き方改革や猛暑の影響で単価が上がった。数量は前年と比べて減ったが、売り上げは久しぶりに90億円を突破した。ヘビ年は吉兆の年と言われている。より良い一年になれば」と述べ、同仲卸組合の藤原雅夫組合長の三本締めで締めくくった。 6時半から競りが行われ、地物野菜ではハクサイ、キャベツ、ブロッコリーなどが次々と競り落とされていった。 市によると、昨年の取扱量は野菜と果実で計2万5277㌧(前年比6・5%減)、金額は91億7600万円(同4・7%増)だった。