あぐりてらす阿知須が長門峡梨のドライフルーツ継承【山口】
阿東グループの思いも受け継ぐ
山口市阿知須の農産物の生産・加工販売を行うあぐりてらす阿知須(長尾智美社長)が、阿東の女性加工グループ「実り会」(中村明美代表)から長門峡梨を使ったドライフルーツを事業継承した。阿知須と阿東でつないだ地域特産品の魅力を発信していく。 実り会は1985年に結成し、長門峡梨組合のナシを使ったジャムとドライフルーツを手掛けてきた。近年、会員の高齢化と減少もあり、ドライフルーツ事業の継承先を探していた。 もともと阿知須など南部との間で地域特産品開発会議を通じた交流があった。これを機に、同会の会員があぐりてらすを視察して継承を依頼。地域の魅力ある食品を残していきたい思いから長尾社長(48)が快諾し、2年前から加工ノウハウを学んできた。乾燥機も譲り受け、設備が整った今年から、本格的に生産を始めた。 ナシのドライフルーツは、加工用の二十世紀を使用。砂糖や塩などは一切入れず、皮も芯も丸ごと薄く切って乾燥させる。かめばかむほど甘味とほのかな酸味が味わえる。収穫時期が短いため、多くの生産ができないという。 ナシに合わせて阿東徳佐の友清りんご園(友清光博代表)と協力し、リンゴのドライフルーツも作った。リンゴは時期に応じた品種を用い、甘味や風味が凝縮した味わいに仕上げた。 紅茶やヨーグルトに入れても楽しめるが、そのまま菓子として食べるのが一番という。長尾社長は「果実の持つおいしさが詰まったドライフルーツを通じて長門峡梨や徳佐りんごの魅力を知ってほしい」と話している。 ナシは30㌘入り、リンゴは20㌘入りで、いずれも道の駅の「きららあじす」と「あいお」で500円(税込み)、山口宇部空港で540円(同)で販売している。ナシは今季分は年内で販売終了の見込み。